HP、同人数で10倍のストレージ管理を実現する「FSAM」

2001/6/20

 日本ヒューレット・パッカードは6月19日、ストレージ分野における同社のコンセプトと今後の戦略について発表した。また、ディスクアレイ新製品とパッケージ化されたSANの新製品も発表した。

デンゼル氏 前職はLegato Systemsの製品部門の責任者。米ストレージ・インク誌で「ストレージで強い影響力をもつ20人」の1人に選ばれたこともある

 この日、同社のストレージ事業全体についての説明を行ったのは米ヒューレット・パッカード バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネジャーのノーラ・デンゼル(Nora M. Denzel)氏。デンゼル氏は同社のストレージ事業全体を担当している。HPは現在、EMC、コンパックに次いで世界第3位のストレージベンダー(外付けRAIDシステム、IDC調べ)。ストレージ事業には数千人規模の社員を注ぎ込み、販売や保守・サポートから研究・開発まで強化を図っている。

 デンゼル氏によれば、同社では今後5年間で「FSAM(Federated Storage Area Network:連合されたストレージ・エリア・マネジメント)」を提唱して、事業を進めていく。また、今年7月に市ヶ谷にある同社の事業所に「ストレージ・インテグレーション・センタ」を開設し、検証作業などを通してFSAMの普及促進を図る。

 「FSAMの最大の特徴は拡張性。これまでと同じスタッフ数で、最低で10倍規模のストレージの管理・運用を実現する」とデンゼル氏は強調する。ユーザーの抱える悩みとして、予測のできないデータ量増加への対応、専任スタッフの確保、データを追加しながらのサービスレベルの維持などを挙げ、HPのソリューションとしてFSAMを紹介した。

 管理の効率化が実現するというFSAMは、連合されたストレージとストレージ・エリア・マネジメントの2つのコンセプトから成る。連合されたストレージとは、物理的に異なるドメイン、種類、ベンダーのストレージデバイスが必要に応じてネットワークに接続される状態を指す。ストレージ・エリア・マネジメントでは、分散したストレージ環境に共有サービスを提供することにより集中管理を実現する。インターフェイスを1つにし、管理者はあたかも1つのデバイスに接続しているように管理できる。これにより、ストレージの数を増やしたり、個々のストレージの性能を上げることが容易に行えるようになるという。

 デンゼル氏はストレージ事業でのHPの強みは統合ストレージ、データ保護テープ、管理、ネットワーク、サービス・サポートと全部をカバーしている点にあるとした。「ストレージの1ストップ・ショップを実現している。オープン性という面からも良いポジションに位置している」。

 デンゼル氏はまた、ストレージ分野での研究開発への投資を積極的に行っていることに触れ、研究課題のいくつかを紹介した。「atomic resolution storage」は小さく、密度の濃いストレージデバイス。イヤリング型のボイス・レコーディングのようなウエラブルコンピューティングで活躍するストレージ技術を開発しているという。また、ストレージ・サービス・プロバイダが世界に普及すれば、現在のように情報を持ち歩く必要はなく、電気のように情報を取り出せる世界が実現するという。

「hp surestore バーチャル・アレイ 7400」

ヘテロジニアスに対応する新製品

 日本HPは同日、中規模ストレージシステム向けディスクアレイ「hp surestore バーチャル・アレイ 7400」を発表した。出荷開始は7月1日より。価格は1620万円から。

 独自技術「バーチャル・アレイ」を採用、情報を“ストレージ・プール”として格納することにより、物理ディスクに制限されることなく論理ユニットの構築を実現する。

 新製品は業界最速の2GbpsのFibreChannelに対応し、10〜15Kpmの高性能ディスクドライブを採用した。最大容量は7.7TB、最大論理ボリューム(LUN)は1024。OSは、NT、HP-UX、Solaris、RedHat Linuxなどに対応するなど異機種混在(ヘテロジニアス)環境をサポートしている。

 同社はまた、この「hp surestore ディスク・アレイ」をベースとした「hp ネットワーク・ストレージ・アプライアンス(nsa)」を発表した。SANのパッケージともいえるソリューションで、SANシステムをすぐに利用できるように検証済みの製品を組み合わせて提供するもの。製品には、ディスクストレージ「hp surestore ディスク・アレイ」のほか、管理ソフトウェア「hp OpenView」、テープ・ライブラリ、FibreChannelスイッチなどがある。ユーザーはホストに接続すればすぐに使用できる。「FSAM」に基づいているので、システムの拡張にも柔軟に対応するという。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
日本ヒューレット・パッカードの発表資料(「FSAM」)
日本ヒューレット・パッカードの発表資料(「hp surestoreバーチャル・アレイ7400」)
日本ヒューレット・パッカードの発表資料( 「hpネットワーク・ストレージ・アプライアンス」)

[関連記事]
“Storage over Ethernet”が標準化を解決する鍵か? (@ITNews)
どのような環境でもストレージ管理ができるとベリタスが強調 (@ITNews)
「ストレージ全市場でナンバー1をとる」とEMC会長 (@ITNews)
IBM、iSCSI規格をサポートした新ストレージ製品を発表 (@ITNews)
[hp world 2001開催]端末、インフラ、e-servicesで巻き返しを図るHP (@ITNews)
トンネルを抜け出したいHP(NewsInsight)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)
- PR -