ノベルが開発者にUDDIサーバを無償提供

2002/12/19

 米ノベルは12月18日、開発者に向けてUDDIサーバ製品の無償提供を行うと発表した。UDDI標準に同社のセキュア・アイデンティティ・マネジメントの開発ノウハウを適用し、Webサービスレジストリのセキュリティ強化と管理の簡素化機能を追加した。今回市場に投入する「Novell Nsure UDDI Server」は、同社のeDirectoryソフトをベースにしたもので、eDirectoryの新ロードマップに基づく初の新製品となる。

 同社はUDDIの欠点として、登録されたサービスの管理やセキュリティ確保のための適切な仕組みが欠けていたと指摘、eDirectoryに基づくUDDIサーバでこの問題を解決する計画を明らかにした。ディレクトリソリューションに強みを持つ同社としては、UDDIに対する機能補完を行うことで、セキュリティ強化、管理性能の向上を目指し、Webサービスビジネスでのイニシアティブ獲得を狙う。しかし、Webサービスの登場から2年たち、定義自体の変質が一部で起こっているのも事実。つまり、必ずしもUDDIがWebサービスの主要な要素ではなくなっているとの意見もあるのである。
 
 ノベルのアイデンティティ・サービス担当副社長アンジー・アンダーソン(Angie Anderson)氏は「Novell eDirectoryは企業内外において、セキュア・アイデンティティ・マネジメントの基盤となっている。Webサービス、特にその主要構成要素であるUDDIの機能を拡張することは、自然な流れだろう」とコメントをしている。

 Webサービス導入を視野に入れたインフラの導入を進めている企業が多数出始めているのは確かだ。ノベルは、次世代の企業間インフラとして地位を固めつつあるWebサービスに同社の得意分野であるディレクトリ技術を投入することで、一時期の失地回復の機会を狙っている。

 Novell Nsure UDDI Serverに関する詳細情報の閲覧および無償ダウンロードは「Developer Net Leading Edge Webサイト」で行える。

(編集局 谷古宇浩司)

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