MS CEOバルマー氏、大隈講堂でワセダ学生にエール

2003/11/18

マイクロソフト CEO スティーブ・バルマー氏

 早稲田大学とマイクロソフトは11月17日、コンピュータセキュリティ分野における人材育成に関して提携関係を結んだと発表した。両者共催で行った17日の講演会に登壇したマイクロソフト CEO スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏は「これまでの10年でコンピューティング・テクノロジは当時の誰もが予想し得ない速度で、予想不可能な姿へと進化を遂げた。当然、10年後もわれわれが予想できない姿へと変貌していくだろう」と述べ、そのためにも、「時代の最先端を駆け抜ける人材の育成に積極的な投資を行っていくことは同社にとって非常に重要な課題である」(バルマー氏)と、大隈講堂に詰めかけた学生にメッセージを送った。

 今回の提携により、マイクロソフトは早稲田大学理工学部内にある「セキュリティ技術者養成センター」でWindowsテクノロジを基盤としたカリキュラムを2004年度(2004年4月)から提供することになる。対象は早稲田大学理工学部の学部学生と同大学院理工学研究科の学生。

 マイクロソフトの2003年度の予算に占める研究・開発費は「約69億ドル」(バルマー氏)で、これは「トヨタ自動車の研究・開発費年間約62億ドルを上回る額」(バルマー氏)である。最先端技術をいち早く実用化し、市場に投入、圧倒的なシェアを獲得して、ライセンス収入で投資を回収するという同社の基本的なソフトウェア・ビジネス・モデルにさらなる拍車をかけるべく、膨大な研究・開発費の一部を大学との提携に投入し、将来の「優秀な技術者」あるいは「経営者」の卵を自陣に引き入れる思惑も感じられる。当然同社としては、優秀な人材を自社に就職させることを目的の1つとして明確に打ち出しているが、純粋に研究の交流、アイデアの交換といったメリットも想定している。

 バルマー氏が講演の冒頭で、「現在の姿は10年前では予想することさえできなかった」と述べた言葉の裏には、マイクロソフトのここまでの急成長と同時に、現在、同社の最大の脅威ともなっているオープンソース技術の台頭という要素も潜んでいるのだろう。10年後の未来の姿は現在のわれわれには想像することができない。現段階で積極的な攻勢をかけておかなければ、『巨人マイクロソフトが10年後には消滅している』という最悪のシナリオも、もしかしたら同社は想定しているのかもしれない。

(編集局 谷古宇浩司)

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