EDSジャパン新社長は柔道黒帯の日本通

2004/9/18

 EDSジャパンの代表取締役社長に2004年8月就任したケリー・パーセル(Kerry J Purcell)氏は、EDSジャパンの今後の経営戦略について、「日本企業に業務を一括して請け負うビジネス・プロセス・マネージメント(BPO)を提供したい」と説明し、日本でのビジネス拡大への意気込みを示した。パーセル氏は「責任を持ってゼロから最後まで顧客と付き合って生きたい」とも述べ、顧客第一主義を強調した。

EDSジャパン 代表取締役社長 ケリー・パーセル氏。インタビューは日本語で行った

 EDSが得意とするのは企業のIT業務を請け負って、効率化、コスト削減とともに企業の競争力を高めるBPO。しかし、パーセル氏によると日本でBPOを完全に使いこなしている企業は少なく、多くの企業は「コスト削減のためだけにアウトソーシングを利用している」のが現状だ。一方、パーセル氏は「最近のCIOはビジネスのニーズを明確にして、そのニーズを解決するために技術を活用したいと考えている」とも述べ、CIOが抱える問題をともに理解し考えることで、企業の競争力を高めるBPOを提供できると説明した。

 EDSはBPOに関してベストプラクティスを持っている。しかし、そのベストプラクティスをそのまま日本企業に当てはめても成功は怪しい。日本独自の問題や商慣習があるためだ。バーセル氏はBPOを日本で成功させるためには「ローカライズが重要」と指摘した。パーセル氏が述べたローカライズとは言語の変換だけでなく、企業のニーズやIT環境に合わせてサービスを適切に変更し、顧客に提供することを指す。「お客さまを中心にしてそのニーズにあったサービスを提供する。コンサルティングから始めて業務の効率化や合理化、コスト削減などに集中したい」。

 EDSジャパンが注力する業種は金融、流通、製造など。NTTコミュニケーションズとのパートナーシップも活用し、「これからも商売を大きくする」。米EDSは苦境が伝えられるだけに、日本法人の下支えが求められる。パーセル氏は「現在、日本市場向けの戦略を作り直している。10月末にはまとめたい」と述べた。

 パーセル氏はニュージーランド生まれ。大学時代に京都に留学するなど日本通で、日本語も堪能。柔道は初段で黒帯を持っている。日本企業の東京本社で働いた経験もあり、日本のビジネスについても詳しい。パーセル氏は「顧客との情報交換が重要」としていて、得意の日本語でトップ営業を展開するとみられる。

(編集局 垣内郁栄)

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