3兆2390億円を狙っていたダブルクリック、携帯市場に参入

2005/1/20

ダブルクリック 代表取締役社長
中山 善光氏

 ダブルクリックは1月19日、統合型モバイルマーケティングツール「MobileMK」の発売を開始した。ASP形式とサーバ導入の2つの提供形式を用意しており、ASP型が月額20万円、導入方が400万円から。ダブルクリック代表取締役社長の中山 善光氏によると、「発売前にすでに数十社から引き合いがあり、数社が契約した。家電のノジマにも納入済みだ」と好調さをアピールしている。

 中山氏は、「携帯電話市場はどんどん充実している。2004年もおさいふケイタイや、TV・FM受信機能などが新たに登場した。2005年にはFOMAが高速化(14Mbps)し、2007年4月ころには高精度GPSケータイによる情報提供も予定されている」と携帯電話市場の現状を説明。モバイルコマース市場が2006年には3兆2390億円になると予測している。「このような活気ある市場に参入しようとずっと調査・観察していた」(中山氏)と参入時期をうかがっていたことを明らかにした。

 このような状況下、ダブルクリックは携帯電話向けのマーケティングツールなどを開発していたインフェイズと2004年9月に業務提携し、10月には同社株式34%を取得した。今回発表したMobileMKは、インフェイズが開発したものを、ダブルクリックが独占販売する。

 MobileMKは、「サイト構築」「プロモーション」「アクセス解析・効果測定」「リサーチ・メール配信」を1本のソフトウェアで完結できる点が特徴だ。サイト構築機能では、ウィザードに沿って文字入力をするだけでサイトを構築可能。作成したサイトは、自動的に携帯電話3キャリアに対応している。プロモーション機能では、「空メール」「QRコード」「メールニュース」など、既存のほとんどのメールプロモーション技術に対応しているという。

インフェイズ 代表取締役社長
稲田 光造氏

 特にダブルクリックが強調するのは、アクセス解析機能だ。インフェイズの代表取締役社長である稲田 光造氏は、「現存するWebサイトのアクセス解析機能をすべて、MobileMKには盛り込んだ」と説明。実際に、アクセス数をはじめ、プロモーションのROI分析やリサーチ分析、キャリア分析などに加えて、機種分析や液晶の解像度分析までできるという。中山氏は、「このような詳細なアクセス解析によって、例えば、『液晶の解像度が高いユーザーが8割を占めるサイトでは動画が有効』といった、従来ではできなかった分析やサイト構築が可能になる」とマーケティングツールとしての有効性を訴えた。すでに導入しているノジマは、4月の繁忙期までにカスタマー登録をQRコードでさせたいという要望から、「QRコードによるプロモーション機能を備えたMobileMKを導入した」(中山氏)という。

 MobileMKは今後、決済機能の搭載などモバイルコマース機能を充実させるほか、DARTやClickM@ilerなどのダブルクリック製品との連携、海外展開を予定。中山氏は「海外は、韓国や中国をはじめとして、欧州、北米の順に進出していきたいが、まずは携帯先進国の日本でシェアを獲得したい」と抱負を語った。

(@IT 大津心)

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ダブルクリック報道発表資料(PDF)

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