組み込み用暗号化アルゴリズムを開発、三菱電機

2005/9/13

デジタル監視カメラの映像伝送の様子

 三菱電機は9月12日、組み込み用途に適した高性能暗号化アルゴリズムを開発したと発表した。実装サイズの小さい「BRUME」と高速処理が可能な「BROUILLARD」の2種。会見では、BROUILLARDを実装したデジタル監視カメラの映像伝送の様子を実演した。

 昨今、データの暗号化は、通常考えられるIT機器(PCやサーバ、携帯電話など)だけではなく、デジタルデータが伝送されるさまざまな機器で必要とされている。三菱電機は、1995年に開発した共通鍵暗号アルゴリズム「MISTY」のファミリーとして今回の暗号化アルゴリズムを新たに開発した。

 BRUMEは、機器認証(相手確認)を目的として組み込むための小型化を実現している。ソフトウェアのサイズ(プログラム容量)は1キロバイト以下で、ハードウェアのサイズ(ゲート数)が3キロゲート以下。いずれもMISTYの約半分の小型化および低消費電力化を実現している。自動車のキーのような小型装置に組み込み、機器認証を行うことができるようになる。

 BROUILLARDは映像データの配信を目的として高速処理を実現した。動作周波数3GHzのインテルPentium4プロセッサの場合、約1秒で1ギガバイトのデータ処理をすることが可能である。これはMISTYの約10倍の処理性能である。

 同社では今後、BRUMEを自動車用のスマートキーシステムに、BROUILLARDをデジタル監視カメラに搭載する計画。

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三菱電機の発表資料

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