IP電話だけじゃない、NECの中小企業向けSIPソリューション

2006/7/4

 NECは7月3日、従業員数200人までの中小企業をターゲットとしたコミュニケーション・ソリューション・パッケージ群「UNIVERGE OneMillionソリューション」を、同日に販売開始したと発表した。基本的には各パッケージを100万円で提供、製品価格の分かりやすさと割安感をアピールしていく。

基本セットに含まれるUNIVERGE SV7000SS(右)とマルチレイヤスイッチ(左)

 このソリューションの中核は、SIPサーバアプライアンス「UNIVERGE SV7000SS(OMSモデル)」1台、24ポートのマルチレイヤスイッチ1台、ソフトフォン50ライセンス、IP電話機ライセンス5ユーザー分をパッケージにした基本セット。これを100万円で7月末に出荷開始する。SV7000SSは、すでに販売されているモデルそのままで、ライセンス数の上限が200に抑えられているのが唯一の違い。

 この価格にシステム・インテグレーション費用は含まれていないが、数十万〜100万円程度で設計から導入までを提供していくという。中小企業でも多数の拠点を持つなど、複雑な導入環境があり得るが、「これまでの経験から、8割程度は類型化によって対応できると思う」と同社執行役員都筑一雄氏は話した。NECは販売店を対象として営業活動や技術活動の支援のほか、SI要員の育成支援を行う100名規模の体制を確立したという。

 同ソリューションでは、基本セットのほかに無線IP電話の利用を可能にする無線LANアクセスポイントなどのパッケージ、Web会議とPCサーバのパッケージ、SSL-VPNゲートウェイ、検疫アプライアンスと管理サーバのパッケージ、グループウェアASPの1年間利用料パッケージを100万円、あるいはそれ以下で同時に出荷開始するという。

 NECでは今後も、四半期ごとに新たなパッケージを追加投入していくほか、販売店が同社の認定した他社のアプリケーションなどとの組み合わせによって特色を出していけるようにするという。「他社の製品を取り込むことで、ソリューションに広がりを持たせることができる」と同社UNIVERGEソリューション推進本部本部長八田孝氏は話した。

 NECの中小企業向けのIP電話ソリューションには、従来型のPBXやキーテレホンシステムから生まれた製品群がほかに存在する。しかし、新ソリューションは、IP電話だけでなく、ITソリューションやアプリケーションを積み上げていけるようにしているのがポイントだという。「中小企業はITやネットワーク、さらには経営戦略を考える要員が足りない。これを補うようなソリューションを徐々に提供していきたい」(八田氏)。今後、同ソリューションのパッケージとして、販売管理アプリケーションの投入も考えているという。

(@IT 三木泉)

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NECの発表資料

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