東工大、アジア最速スパコンを構築〜みんなが使えるスパコンを

2006/7/4

 東京工業大学(東工大)は7月3日、グリッド型のスーパーコンピュータ「TSUBAME Grid Cluster」を関係者向けに公開した。TSUBAMEは、NECやサン・マイクロシステムズ、日本AMDなどが共同で構築したスーパーコンピュータで、Linpackベンチマークで38.18テラフロップス(ピーク85テラフロップス)と、6月28日に発表された第27回トップ500ランキングで第7位に入り、アジア地域最速のスパコンとなった。

東工大学長 相澤益男氏
 TSUBAMEは、東工大 学術国際情報センターが中心となって構築したグリッド型スーパーコンピュータ。従来、国内最速だった地球シミュレータを抜き、アジア圏最速コンピュータとなった。スペックは、総合演算性能がピークで85テラフロップス、メモリが21.4テラbytes、ハードディスク容量は1.1ペタbytesを誇る。CPUは、AMDのデュアルコアOpteronを5240個(1万480コア)を利用している。東工大学長 相澤益男氏は、「世界最高の理工系大学を目指すべく、ほかを圧倒するようなスペックのスパコン構築に取り掛かった。一方で“みんなのスパコン”を合言葉に、特殊用途向けのパーツを用いずに誰でも使えるようなインターフェイスを目指した」と語った。

 TSUBAMEは、サンのグリッド型サーバ「Sun Fire X4600」639台、ストレージサーバ「Thumper」42台、VoltaireのInfiniBandスイッチ「Grid Director Voltaire ISR 9288」8台、NECの「iStorage S1800AT」1台で構成されており、さらにClearSpeedのアクセラレータ「Dual CSX600 PCI-X Board」で演算を加速させることができるという。

 東工大 学術国際情報センター 西川武志 特任助教授によると、「構築に20億円、電気代やサポートエンジニア費用などの運営費に年間3億円掛かっている。入札で各社が頑張ってくれたので、本来であればとてもこの値段で構築できるシステムではない。6月28日のトップ500ではアクセラレータを使わなかったので、使えばもっと順位が上がるのではないか。アクセラレータは消費電力が25ワットで非常に少ないので、夏場はできる限りアクセラレータを使った方が良いと考えている」とコメントした。

 TSUBAMEはハイエンドはもちろんのこと、新入生もWebサイト経由で利用できるようになっている。実際には、同大学のポータルサイトへ、2006年4月から同校が導入したPKI認証システムを利用してアクセスすることで、TSUBAMEのインターフェイスにアクセスし、リソースの一部を利用することができる。相澤学長は、「東工大の学生に、日ごろからスパコンに触れてもらうことでスパコンに慣れ親しんだ、スパコンエンジニアになってほしいと考えている。それが、現在国が構築を目指している10ペタフロップス級のスパコン構築の助けにもなるだろう」と語った。

 ハイエンド向けでは、高解像度台風シミュレーションや、上昇する気泡流の直接シミュレーション、たんぱく質のフォールディングなどを行う予定だという。

TSUBAMEの様子。このようにサンのグリッド型サーバ「Sun Fire X4600」が639台並んでいる。熱排出量も相当なものだが、電力消費量は地球シミュレータの10分の1程度だという 西川氏は、「このスイッチだけで本来なら予算の数分の1を占めるでしょう。そのくらい、入札では各メーカが頑張ってくれた」と語り、構築費用の安さをアピールした

(@IT 大津心)

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