オラクルがコンテンツ管理新製品、ファイルサーバ置き換え目指す

2006/10/12

 日本オラクルは10月11日、企業のファイルサーバを強化するコンテンツ管理の新製品「Oracle Content Database」「Oracle Records Database」を10月17日に出荷すると正式発表した。Windowsファイルサーバに格納することが多いドキュメントや表計算ファイルなどの非構造化データも、内部統制の義務化などでよりセキュアな環境で保存する必要があるとオラクルは主張。Oracle Content Database、Oracle Records Databaseを使うことで既存のファイルサーバが抱える課題を解決できるとしている。

日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏

 日本オラクルの常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏はファイルサーバの問題点として、ファイルサーバの乱立や、バージョン管理ができていないデータの散在、業務システムとの非連携などを挙げた。ファイルサーバの問題で象徴的なのは「企業のトップ層に聞いても社内に何台のファイルサーバがあるか、まったく把握していない」(三澤氏)こと。IT部門が管理せずに部門ごとにファイルサーバを立てているケースが多く、「情報漏えいのリスクが高まっている」(同氏)のだ。

 Oracle Content Databaseはグループウェアソフトウェアの「Oracle Collaboration Suite」からファイルサーバの機能を抜き出して拡張した製品。格納した文書に対してファイルごとのアクセス権限管理や排他制御、ほかのユーザーに承認を求めるワークフロー、バージョン管理、監査ログの取得などが可能。Oracle Records Databaseを組み合わせることで文書のライフサイクル管理にも対応する。内容が確定した文書の上書きや削除ができないようにし、設定した期間だけ保存。期間終了後に削除するなどのコントロールを設定できる。検索機能も提供する。

 Oracle Content Database、Oracle Records DatabaseはWebサービスAPIを公開。業務システムとシームレスに連携させることができ、ビジネスプロセスの一部に組み込むことができる。オラクルは内部統制整備のソフトウェア「Oracle Internal Controls Manager」から内部統制整備に必要な文書をOracle Content Databaseにアップロードし、安全に格納できる様子をデモンストレーションした。三澤氏は「既存のコンテンツ管理製品はファンクションがリッチすぎて使われていない。ライセンス料も高い。Oracle Content DatabaseはWindowsファイルサーバと既存のコンテンツ管理製品の中間の製品だ」と話した。

 Oracle Content DatabaseはWebブラウザ、Windowsエクスプローラからアクセスする。WebサービスAPIを通じてほかの業務システムからアクセスすることも可能。Oracle Content Databaseのライセンス料金は1プロセッサ当たり656万2500円(税込)。Oracle Records Databaseも同額。初年度に50件の販売を目指す。

(@IT 垣内郁栄)

[関連リンク]
日本オラクルの発表資料

[関連記事]
オラクルがコンテンツ管理に参入、9月にも新製品発表 (@ITNews)
MS、新しいSharePoint Serverの新機能を紹介 (@ITNews)
内部統制構築でオラクルがEMCと協業、ID管理の専任部隊も (@ITNews)
SOX法にらみドキュメント管理で協業、オラクルとNetApp (@ITNews)

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)