3Dインターネットも

IBM、最新の「生活変革」技術を披露

2007/03/02

 利用者の要求を予測できる携帯電話? 3Dインターネット? 地球の反対にいる医師の治療を受ける? こうしたことが、皆が思っているよりも早く日常的なものになるかもしれない。

 IBM Labsは最近、サンノゼで開かれたオープンハウスで、1億ドルを投資した技術の一部や、IBMが世界中の研究施設で開発しているいくつかの重要なプロジェクトをマスコミやアナリストに披露した。

 IBMは数百のプロジェクトを進行中だが、同社が向こう5年のうちに人々の生活を変えると確信する5つの技術革新を選び出した。

5つの技術革新

利用者を喜ばせるための学習機能を持つ携帯電話

 高度な「プレゼンス」技術により、通勤、勤務、旅行中のユーザーの居場所や好みを学習する機能を携帯電話やPDAに持たせる。プレゼンス技術はすでにインスタントメッセージング(IM)で使われており、ユーザーがネットワークに接続したらすぐに、ユーザーを探して認識できるようにする。

 2012年には多数の携帯デバイスが、持ち主のことを学習して、その好みやニーズに適応する機能を持っているだろうとIBMは言う。例えば、持ち主が授業あるいは会議の最中であることを携帯電話が「把握」して、自動的に留守番電話の状態に戻る。お気に入りのピザレストランが、ユーザーが帰宅中であることを認識して、ユーザーの好みに合わせた特別価格のお持ち帰り用ピザを宣伝するといったことも考えられる。

遠隔医療

 糖尿病、心臓病、腎臓病、循環器の問題など慢性的な病気を抱えた多数の人が、日常生活の中で自動的に健康状態を監視してもらえるようになる。デバイスメーカーや医療専門家は、患者が身に付けたセンサーを通じて患者を遠隔監視できる。こうした進歩によって患者はどこにいても自分の健康状態をもっと適切に監視でき、医師の予防医療を手助けすることができる。

リアルタイムでの会話の翻訳

 IBMはすでに、メディア企業が中国語・アラブ語のニュースを英語でWeb放送したり、旅行者がPDAを使って日本語のメニューを英語に翻訳したり、医師がスペイン語で患者と会話するのを手助けするためのソフトを持っている。リアルタイム翻訳技術は携帯電話、ハンドヘルド機器、車に組み込まれる。これらのサービスはビジネスや社会のあらゆる部分に浸透し、グローバル経済や社会的交流において言語の壁を取り払うだろうとIBMは語る。

3Dインターネット

 「Second Life」や「World of Warcraft」など人気の「没入型」オンラインサイトは、3Dインターネットに進化するだろう――DARPA(米国防総省国防高等研究事業局)、 AOL、Prodigy Communicationsによる初期の取り組みがインターネットに進化したように。没入型オンライン世界では、ユーザーはスーパーマーケット、書店、 DVDショップの通路を「歩き」、近所の店にはいないような専門家に相談できる。

環境を改善する新技術

 個々の原子や分子を操作して新しい微細構造を形成できるナノテクノロジは、PCや携帯電話などのデバイスをもっと小さく、効率的に、安価にする。ナノテクノロジは海水のろ過や太陽発電システムの改善などにも利用される。

ユーザーの行動を反映

 「全体的に見て、生活を変える技術についてのIBMの主張には説得力がある。この5つの技術はITトレンドやユーザーの行動を反映している(従って、IBMにとってビジネスチャンスになる)というものだ」とPund-ITの主席アナリスト、チャールズ・キング氏は eWEEKに語った。

 遠隔医療と3Dインターネットは、主に広帯域インターネットアクセスのアドバンテージを強化することで伸ばせる分野だとキング氏はいう。

 「遠隔医療が、基本的な医療を利用するのも難しいことが多い地方に住む人々の生活をどのように変えるか想像するのはたやすい。戦場で負傷した兵士や、遠隔地に住む自然災害の被災者にワイヤレス技術がどう影響するかも考えてみてほしい」(同氏)

リアルタイム翻訳は「時間の問題」

 ユーザーに適応する携帯電話やリアルタイム翻訳は時間の問題だと同氏は語る。これらの技術を支える強力なマイクロプロセッサはあと5年以内に市場に登場すると同氏は予測している。

 管理の複雑さが真に効率的なソリューションの妨げになるIT環境問題にも同じことがいえると同氏は付け加えた。

 「ベンダーがいずれ管理機能をプロセッサレベルに統合したら、その結果生まれる環境に優しいシステムと比べると、今日の『グリーン』ソリューションは乾ききったものに見えるだろう」(同氏)

原文へのリンク

(eWEEK Chris Preimesberger)

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