ネクステック、保守・運用の新会社設立

「運用段階で汚れ始めるデータを洗う」、製造業向け保守・運用の新事業

2007/03/26

 製造業専門のコンサルティング会社ネクステックは3月26日、データクレンジングやデータメンテナンスなどシステムの運用、保守サービス事業を行うネクステックウェイブを設立すると発表した。

ネクステック写真 ネクステック 代表取締役社長 CEO 山田太郎氏

 ネクステックは製造業向けに、業務改革のグランドデザインから、システム開発、導入、ソフトウェア開発・販売までのいわゆる「プロダクト・ライフサイクル・マネジメント」(PLM)サービスを提供してきた。システム開発の上流工程にあたる領域に特化して事業を展開してきたわけだが、新会社のネクステックウェイブを設立することで、システム稼働後のデータメンテナンスや保守サービスまで事業領域を拡大する。

 新会社の社長に就任する首藤晴美氏は、オムロンの情報システム部門で、社内システムの企画、開発、運営、保守を担当してきた経歴の持ち主。首藤氏によると、情報システムの保守・運用で重要なのは「データ」であるという。情報システムそのものの保守・運用を支援する企業はあるが、構築された情報システムで展開される事業にまで配慮する企業はないと首藤氏はいう。

 事業の根幹にはつねにデータがある。特に製造業においては、製品の生産工程で膨大なデータが発生し、情報システムを経由しながら社内外を流通するが、(情報システムの)年数が経つにつれて、「データが汚れ始める」(首藤氏)。

 新会社では、情報システム稼働後の保守・運用を請け負うことで、ネクステックグループ全体のサービス領域の拡大に貢献する。また、保守・運用段階で生じるニーズをコンサルティングなどの上流工程に反映させることで、サービスの質の向上も支援する。「運用担当者にいわせると、上流工程で運用のことを考えてシステムを設計するケースはほとんどない」(首藤氏)のが現状だという。

 新会社のスタッフ数は当初10人程度。将来的にはデータセンターを構築し、効率的な保守・運用サービスを提供していきたい考えだ。ネクステック 代表取締役社長 CEOの山田太郎氏は「(ネクステックウェイブに)グループ全体の20〜30%程度の売り上げ規模を見込んでいる」と話す。同グループは「4〜5年先には売り上げ規模100億円を目指」(山田氏)している。

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(@IT 谷古宇浩司)

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