中核機能の多くを削減

MS、新サーバOSの仮想化技術で「苦渋の決断」

2007/05/11

 品質と出荷日の目標を達成するために、米マイクロソフトは次期版Windows Server仮想化技術「Viridian」の中核機能の多くを削減する。

 その結果、ViridianにはLiveマイグレーションや、ストレージ、ネットワーキング、メモリ、プロセッサなどのホットアドリソースは含まれず、サポートは16の物理コアあるいは論理プロセッサに限られる。

 Viridianはマイクロソフトの新しいハイパーバイザーベースの仮想化技術で、Windows Server Longhornの一部として提供される。

 同技術はハードウェアとWindows Server Longhornの間の薄いソフトウェアレイヤで、ホストコンピュータ上で複数のOSを修正なしで同時に実行できる。パーティション分割機能を提供し、各パーティションを強力に隔離する。

 「今週、製品開発に関する普遍の真理に直面することとなった。それは出荷時期もまた製品特性の1つであるということと、品質基準、われわれの持っている時間、機能一式は直接的に相互に関連しているということだ。それにリソースは無限ではなく、たとえリソースを増やせても、作業がもっと早く終わるわけではない」と仮想化戦略ジェネラルマネジャー マイク・ニール氏は5月10日のブログで述べている。

 「そこでわれわれは苦渋の決断をした。望ましい期限を守りつつ、中核の仮想化シナリオ向けの魅力的なソリューションを提供できるように、 Windows Server仮想化技術の搭載機能を調整した。Windows Server仮想化は将来に向けたOSの中核技術であり、われわれは幅広い市場――大手企業、大規模組織、中小企業顧客――の需要を満たす仮想化シナリオにフォーカスすることにした」(同氏)

 マイクロソフトは先月、パフォーマンスと拡張性に関する社内目標を達成するために、Viridianの最初の公開ベータ版のリリースを2007年前半から後半に延期した。それにも関わらず今回の機能削減が行われた。

 当時ネイル氏は、Viridianは最高64プロセッサと、競合よりも大きなシステムに拡張できるよう設計されていると話していた。「これはほかのベンダの製品ではサポートしていないと誇りを持って言える」と同氏は述べていた。

 同氏はこのとき、「ベータ版が当社の設定した『スケールアップ』基準を満たすには、まだいくらかやることがある。またわれわれは、Windows Server仮想化技術が、要求の厳しいエンタープライズITワークロード、I/O負荷の高い作業を処理できるよう調整している。このためパフォーマンスは非常に重要であり、この点でもまだやるべきことがある」とも記していた。

 マイクロソフトは来週ラスベガスで開催の年次イベントWinHECでViridianを披露するため、「今週パートナーと顧客にこの情報を伝えて、WinHECでWindows Server仮想化技術のほかの革新を披露するときに誰も驚かないようにしたい」とニール氏は言う。

 同社にさらにプレッシャーをかけているのが、仮想化技術で競合のLinux製品に後れを取っているという事実だ。レッドハットやノベルのSUSEはすでに、ハイパーバイザー技術のXenをサーバ製品に統合している。

 しかし同社は、Viridianの変更はWindows Server Longhornのスケジュールに影響しないと指摘している。同OSは4月25日に公開ベータ版がリリースされ、今年後半のRTM(製造工程向けリリース)に向けて予定通りに進んでいる。Viridianの公開ベータ版もそのときにリリースされる予定だ。

 「このベータ版は広範な顧客とパートナーがワークロードとアプリケーションを、正式版Windows Server Longhornとプレプロダクション版Windows Server仮想化機能の組み合わせでテストできるようにする」(ニール氏)

 マイクロソフトはViridianの正式版をWindows Server Longhornのリリースから180日以内に提供する予定に向けて、順調に進んでいると同氏はいう。

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

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