HA機能に自信

ノンストップ・ルーティングで99.999%の稼働率、日本アルカテル・ルーセント

2007/08/22

 日本アルカテル・ルーセントは8月22日、自社製ルータのHA(高稼働率)機能の優位性を紹介する記者セミナーを開催した。

 同社によると、現在は「IP革命の第3の波」が到来した時期である。第1の波を「エンタープライズ・ルーティング」、第2の波を「インターネット・ルーティング」とすると、現在はさまざまなサービス(音声、データ、ビデオ)がIPベースで統合された「サービス・ルーティング」の時代である。あらゆるサービスをIP/MPLS(Multi Protocol Label Switching)上に再構築しようとするこの流れを押し留めることは困難だとする。

 HAという考え方はもともと、エンタープライズ・システムや、金融系システムの稼働率を議論する時に使われていた。それが最近では通信キャリア系企業のサービス品質を測る上で用いられるようになってきている。というのも、テレビや電話といったサービスは、すでに通信キャリアが展開する事業の重要な収益基盤として組み込まれており、これらのサービスが通信機能の問題で停止することによる損失は年々巨額化しているからだ。

 「IPネットワークの障害の32%はルーティングの失敗である」という調査報告がある(University of Michigan and Sprint, Oct 2004)。日本アルカテル・ルーセントでは、HDTVを含めた放送品質や、従来の固定電話と変わらない高稼働率を含めた品質を「QoE」(Quality of Experience)と表現している。映像データ圧縮技術の進化により、パケットのロスで生じるサービス品質の低下は、従来とは比較にならないくらい大きいといえる。インターネットで放送される動画コンテンツが途切れることは、ベスト・エフォートを標榜する通信とはいえ、許される状況ではなくなってきたのである。

アルカテル・ルーセント写真 【デモ】アクティブのマネジメントカードを抜いても映像が止まったようには見えなかった

 一般的に稼働率は、MTBF(Mean Time Between Failure:平均故障間隔)を、MTBFとMTTR(Mean Time To Repair:平均復旧時間)の合計で割って算出する。数百、数千のサービスが稼働している状況において、障害発生からシステム復旧までの時間をいかに短くするか。同社では、HAを実現する業界初の機能として、RSVP-TEステート(インターフェイス、隣接ノード、セッション情報)を維持したまま、コントロール・プレーンのスイッチオーバーに対応した機能や、IGMPステートおよびマルチキャスト転送情報(FIB)をコントロール・プレーンのスイッチオーバー時も維持する機能などを自社製サービスルータに搭載したとする。

(@IT 谷古宇浩司)

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