市場のLinuxサーバはカウント不可能

Linuxコミュニティ、x86サーバ市場の調査結果に異議申し立て

2007/11/02

 Linuxコミュニティは、オープンソースOSが、x86サーバにプリインストールされたWindowsに市場シェアを奪われているとする調査結果(関連記事:Linuxサーバの成長鈍化、UNIXからの“燃料投下”なくなる)に異論を唱えている。この種の調査では、Linuxは実際よりも少なくカウントされる傾向にあるという。

 IDCの「Quarterly Server Tracker」レポートの分析によると、Linuxの成長は過去6四半期を通じて下降傾向にあり、Windows Serverおよび市場全体に対する成長率がマイナスに転じ始めた。

 同レポートによると、x86サーバ市場におけるLinuxの年間成長率が2006年にマイナス4%にダウンしたのに対し、Windows Serverは2006年、同市場全体の成長率を4%以上、上回った。

 しかしサンフランシスコを本拠とするLinux Foundationでマーケティングディレクターを務めアマンダ・マクファーソン氏によると、今日出回っているすべてのLinuxサーバをカウントするのは不可能だという。

 「ベアボーンサーバを購入してLinuxをインストールする人もいれば、古いUNIXやWindowsサーバを再利用するために、Linuxをインストールする人もいる。また、メインフレームやIBM System pなど、x86以外のアーキテクチャでもLinuxが大きく伸びている」とマクファーソン氏は米eWEEKの取材で述べている。

 同氏によると、IDCの調査結果は、仮想化技術がサーバの出荷数に及ぼしている影響を考慮していないという。ユーザーはすでに購入したマシンを最適化するために仮想化を利用しているからだ。「Linuxは仮想化に適したプラットフォームと見なされているため、仮想化はLinuxサーバの数に大きく影響している。既存資産を有効活用できることに対して不満を訴えているユーザーはいないと思う」と同氏は話す。

 x86 Linuxの成長が鈍化しているのは、Linuxが進出しやすいUNIX市場で「取れるところ」を取ってしまったからなのかという問題について、「Linux Foundationでは、そういった状況を立証するデータは見つからなかった」とマクファーソン氏は語る。

 しかしノベルの広報担当者は、UNIXからの移行の動きが鈍化しており、Linuxが進出しやすい分野ではすでに移行が完了したと考えている。

 しかし同広報担当によると、UNIXからの移行機会はまだ多く残されており、それは当分なくならないという。

 「仮想化、古いマシンでのLinuxの利用、アプライアンスへのLinuxの組み込みなど、市場ではほかにもいろいろなことが起きている。このため、Linuxの場合、ソフトウェアサイドの動向は必ずしもハードウェアサイドの動向と一致しない。IDCもLinuxソフトウェアビジネスが有償、無償の両分野で成長しているとみており、また、全般的な傾向はどうであれ、ノベルのLinuxビジネスは拡大している、というのがわれわれの理解だ」(同広報担当者)

 オーストラリアのメルボルンにあるオープンソース企業、Cybersourceのコン・ジマリスCEOも、既存のLinuxシステムの数を推定するのは不可能であり、推定しようとしても不正確な数字になる可能性が高いと考えている。

 「彼らは実運用環境に配備されているLinuxサーバの大部分を把握していないし、把握することもできない。当社の場合も1つの参考データになるだろう。当社のスタッフは過去15年間で1000件以上のLinux配備にかかわったが、IDCなどの調査会社のレーダーに引っ掛かるのは、そのうちの10件程度に過ぎない」とジマリス氏は話す。

 世界最大手のx86サーバベンダであるデルも最近、Linuxサーバの出荷台数はWindowsサーバよりも急速に伸びており、新興のWeb 2.0市場でもLinuxがリードしているとの見方を示した。

 「グーグルのような企業がすべてのソリューションをLinuxで構築していることを考えれば、文字通り何百万台ものLinuxシステムが見えないところに潜んでいることが分かる」とジマリス氏は話す。「今日、Windows OSをプリインストールしないで出荷されるx86サーバはほとんどすべて、Linuxまたはそのオープンソース兄弟に当たるBSD UNIX向けであるというのは常識だ。こういったシステムも全部、Linuxのカウントに含めるべきだ」。

 数年前のLinuxの驚異的な成長率に関して、Linux Foundationのマクファーソン氏は、今日のLinuxサーバ市場の規模は77億ドルであり、ここ数年、サーバ市場全体の成長が鈍化している中で、これほど巨大な市場がいつまでも年率30%の成長を続けるのは難しいと指摘する。

 「しかし誤解しないでほしいのは、われわれは楽天家ではないということだ」と同氏は話す。「マイクロソフトは非常にうまくやっている。彼らは巨大な既存地盤を持っており、莫大なリソースをマーケティングに投入することもできる。それに彼らは、競争を妨げるためにファイルや印刷などに関する相互運用情報を独占してきた」とマクファーソン氏は話す。

 「これほど強固な地盤と豊富な蓄えを持った競争相手に対するLinuxのこれまでの成功は驚異的だが、今後も彼らにプレッシャーをかけるには、われわれ全員がイノベーションを続ける必要がある。LinuxとOpenOfficeがマイクロソフトの2つのドル箱を脅かしているという状況の中、同社はLinuxに対する攻勢をますます強めるだろう。それに対抗する準備はできており、ユーザーはいずれ、オープンソースのみが提供する選択の自由を求めるものとわれわれは確信している」(同氏)

原文へのリンク

(eWEEK Peter Galli)

情報をお寄せください:

アイティメディアの提供サービス

キャリアアップ


- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

3万円で始めるウェビナー 配信ツールをどう選ぶ?
まずはスモールスタートで。今回は、ウェビナーを実施するための体制や必要な環境につい...

有料化直後のドラッグストアでは「レジ袋購入しない人」が約8割――True Data調べ
2020年7月1日からレジ袋を有料化したドラッグストアの実購買データを調査。

B2BサービスサイトにおけるCVの58%はトップページからの直行――WACUL調査
CV(コンバージョン)を目的としたWebサイトの改善に必要な施策とは何か。4つのデータに...