日本テラデータが最新バージョン「Teradata 12.0」をリリース

クエリ速度が最大30%向上、応答時間を予測できるようになったDWH

2007/11/13

 日本テラデータは11月13日、データウェアハウス(DWH)の最新版「Teradata 12.0」を11月14日より販売開始すると発表した。クエリやデータ更新のパフォーマンスを改善し、クエリのパフォーマンスを最大30%向上させた点が特徴だ。

吉川氏写真 日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏

 米テラデータは10月1日にNCRから分社独立し、ニューヨーク証券取引所に上場。現在、60カ国でビジネスを展開し、社員は5500名。全世界で約850社、2000システムの実績があるという。米テラデータの2007年第3四半期の業績は4億3900万ドルで前年同期比17%の伸び、営業利益は6600万ドル。日本テラデータ 代表取締役社長 吉川幸彦氏は、「この数値は9月までの第3四半期の数値なので、分社独立前の数値だ。10月1日に独立したので、さらに伸びる可能性がある。日本では販売体制の強化やセールスプロモーションの強化などを実施し、さらに売り上げ強化を図る」とコメントした。

 Teradata 12.0は、同社の主力製品であるエンタープライズDWHの最新版。データベースエンジンである「Teradata 12.0」と、管理ユーティリティや接続ツールなどを備える「Teradata Tools and Utilities 12.0」で構成される。価格は600万円/1コアライセンスから。Teradata 12.0の最大の特徴はクエリパフォーマンスの向上で、ハードウェアを変えずにデータベースエンジンを入れ替えるだけで、最大30%のパフォーマンスを向上できるという。さらに、“即座に結果がほしいクエリ”と“重く複雑なクエリ”をあらかじめ設定して調整しておくと、クエリのレスポンス時間を予測できる機能を搭載した。

 例えば、コールセンター業務など“数秒以内に結果がほしい”といったニーズに応えるために、あらかじめ、コールセンターが利用するクエリの種類などを、リソースを管理する「Teradata Active System Management(TASM)」に登録しておくと、TASMがクエリの種類を判別し、その種類に合ったリソース配分を行う。これにより、“結果が早くほしいクエリ”は優先的に結果を返し、“複雑で重いクエリ”はリソースが空いているときに対応するなど、柔軟な対応が可能になった。

 Teradataはコストベースアプローチのデータベースであるため、オプティマイザが統計情報を基に処理する。そこで、Teradata 12.0ではオプティマイザと統計情報を強化し、クエリパフォーマンスを向上させた。また、「マルチレベル・パーティション・プライマリ・インデックス(MLPPI)」を採用。例えば、“10月の店舗Aに関する売上高を検索するSQL文”を実行した場合、パーティションを設定していない場合にはすべてのテーブルを検索しなければならないが、月単位と店舗単位でパーティションを設定するMLPPIの場合には、『10月の店舗Aのテーブル』だけを検索すればよいので非常に高速になる。

 さらに前述のTASMの搭載や、UPSERT(Update+Insert)の強化により、クエリパフォーマンスの向上を実現したという。日本テラデータ マーケティング統括部・製品企画開発部 丹隆之氏は、「エグゼクティブと現場担当者が同一のデータソースからデータを活用することによって、『クレーム情報を現場と幹部で共有』したり、『欠品情報をコールセンターとWebシステムで共有』したりできる。これにより、別々のDBで管理していては難しい、情報共有や横串連携を容易に実現できる点は大きい」と、DWHのメリットを説明した。

 吉川氏は、「販売強化の一環として、パートナー強化を実施する。現在コアとなっているパートナーは7社だが、これを倍増させたい。今後1年間では10%の成長を目指す。Teradata 12.0は、担当者が求めるシビアな要求と、エグゼクティブが求める複雑で重いクエリに同時に対応できるDWHだ」とコメントした。

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(@IT 大津心)

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