SP3はアプリケーションの性能全体を少し押し上げる

Windows XP SP3 RCを試してみた

2007/12/06

 米マイクロソフトは12月3日、かなり遅れていたWindows XPのService Pack(SP)3のリリース候補(RC)を、MSDN(Microsoft Developer Network)とTechNetの会員向けにリリースした。ベータ版が約1万5000人のテスターに配布されてから約1カ月後のことだ。

 顧客はまだVistaへの移行に熱心でなく、XP SP3への関心は高まっている。SP3には新機能という点ではほとんど追加はないが、2004年8月にSP2がリリースされた後にマイクロソフトが公開した数百件のフィックスをまとめたもの、重要なセキュリティと安定性のフィックス、いくつかの新機能が搭載されている。

 XP SP3(ベータ版)ではSP2と比べてアプリケーションが10%高速だったとも報じられているが、この記事はSP3のベンチマーク測定やレビューのための試みではない。

 ベータ版とRCは本質的に、少数のテスターに渡されるバージョンで、最終的にエンドユーザーの手に渡るバージョンの間には大きな違いがあるものだ。もっとも、Vista SP1のOffice 2003とXP SP3のOffice 2003を同一条件で比較したところ、XP SP3の方がXP SP2よりも高速で、Vista SP1のおよそ2倍高速だったことは特筆すべきだろう(リンク)。

 2台のXP SP2マシンをSP3 RCにアップグレードしたわれわれの体験から言えるのは、SP3はWindowsとアプリケーションの性能全体を少し押し上げるようだということだ。 eWEEKのテストでは、VirtualBoxやVMwareを走らせた仮想マシンではなく、ネイティブハードでXP SP2を動かしているシステム2台を使った。

 2台のうち1台は、かなりの改造を加えたGateway 503GRだった。3GHzのPentium 4、2GBのRAM、ATI Radeon 250グラフィックスカード、300GB SATA HDDを搭載している。つまり、2005年の最新鋭マシンをアップグレードしたものだ。もう1台も2005年のスペシャルマシンで、ハードの改造はない。 HP Pavilion a350nで、2.6GHzのPentium 4、512MBのデュアルチャネルDDR333 SDRAM、120GB SATA HDDを搭載する。

 最先端とはほど遠いが、XPのテストにはほぼ完ぺきなマシンだろう。多くの企業が今も使っていて、Vistaに「アップグレード」されないことがほぼ確実な典型的な企業のシステムだからだ。

 SP3を圧縮された350MBの実行可能ファイルからインストールするのは、503GRでは30分かからなかった。だがa350nではもっと長くかかり、2時間弱で終わった。オフィスで古い、遅めのシステムを使っているなら、週末を使ってSP3にアップデートする準備をした方がいい。

 ユーザーにとってもシステム管理者にとっても、インストールが終わったときに特に目につくものは何もない。新しいOSに乗り換えるくらい大がかりなアップグレードだったXP SP2とは違うのだ。eWEEKのコラムニスト、ラリー・セルツァーは最近、SP3について、もっとこういう種類のアップデート――最後のメジャーアップデート後の更新をまとめた単純なアップデート――があってしかるべきだと話していた。

 もっとも、そのメッセージを皆が受け取ったわけではないようだ。例えば、XP SP3にはInternet Explorer(IE)7とWindows Media Player 11が含まれると考えている人もいる。実はそうではない。これらをシステムにインストールしているのであれば、SP3には、これら比較的新しいマイクロソフトアプリケーションの新しいパッチが含まれる。わたしとしては、これでいい。IE7でうまく動かないIE6向けのWebアプリケーションが今でもあるからだ。

 セキュリティの改善(革新ではない)はSP3の重要事項だ。

 大きな追加機能の1つが、SP3にNAP(ネットワークアクセス保護)が盛り込まれることだ。これは次期サーバOS「Windows Server 2008」の新機能を活用できる。NAPはプロトコルの1種で、NAPで保護されたLANに接続しているPCが必ず「健全」な状態であるようにする。例えば、PCはサーバに対して、最新のセキュリティパッチがインストールされていることを示さなければ、LANへの接続を許可されない。

 SP3には比較的古いアプリケーションの改良版も含まれる。例えば、MMC(Microsoft Management Console)3.0やWindows Installer 3.1がそうだ。既存プロトコルへの機能追加もあり、WPA(Wi-Fi Protected Access)バージョン2をサポートする。

 ほかにも素晴らしい変更があり、Windows Updateではなくネットワーク共有ドライブかCDからSP3をインストールする場合は、プロダクトキーを探さなくてもよくなった。いつもプロダクトキーを紛失してしまうわたしには非常に便利だ。

 実際のところ、XP SP3はやるべきことをやっていると思った。インストール後に、わたしが使っているOpenOffice 2.3、Thunderbird 2.0.11、Firefox 2.0.11などのオープンソースプログラムを使ってみたが、問題なく動いた。さらに、Adobe Photoshop CS3、Intuit Quicken 2005、Google Desktop Searchなどのサードパーティーアプリケーションもいつも通りに動作した。

 例外だったのが、Windows Explorerを使ってネットワークドライブを見ようとすると、時々問題が起きることだった。わたしにはその理由は分からなかった。ドライブが Samba上にあっても、Windows 2003でも、W2Kサーバでも、フリーズした。ドライブがNT/Domainスタイルのネットワークでマッピングされているか、AD(Active Directory)かも関係なかった。今のところは、深刻な問題というよりはテスト版ゆえの奇行と見なしている。

 SP3を使ったのはわずか数時間だが、今のところは感心している。XPに重要な新機能を加えたSP2のような「重大な」サービスパックではないものの、非常に堅実なアップデートのようだ。

 マイクロソフトはXP SP3の具体的なリリース日を明らかにしていないが、2008年半ばではなく第1四半期になるだろう。同社がリリース日を明かしたくないのだとしたら、その理由も分かる。SP3はXPユーザーに、Vista SP1リリースが迫っていても、マイクロソフトにとってより利益になるVistaに移行せずに、XPを使い続ける理由をさらに与えることになるからだ。

原文へのリンク

(eWEEK Steven J. Vaughan-Nichols)

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