Opteron出荷は第1四半期に

「失望させた」、クアッドコアCPU出荷遅れのAMDが今後を説明

2008/01/21

 2007年9月にパートナーとともに大々的に発表しながらもエラーの発生などで本格出荷が遅れている日本AMDのサーバ向けクアッドコアプロセッサ「AMD Opteron」。同社のマーケティング本部 本部長 吉沢俊介氏は1月21日の今年度方針説明会で、「(出荷遅れで顧客、パートナーを)失望させた。全社を挙げて回復できるよう頑張っている」と説明した。

 Opteronシリーズは低消費電力を売りにし、近年のAMDのビジネスを引っ張ってきた。次世代のクアッドコア版にも大きな期待を寄せていたが、技術的な不具合があり、当初の予定通り出荷できなくなった。国内では富士通や日本IBM、日本ヒューレット・パッカードなどがクアッドコアのOpteronを搭載したサーバの出荷を予定している。出荷遅れはAMDにとって大きな痛手となっている。

 吉沢氏は不具合を修正したOpteronはすでに工場から上がってきていて、現在社内で検証中と説明。2.3GHz版は2008年第1四半期、 2.5GHz版は第2四半期に出荷できるとの見通しを示した。Opteronを組み込んだサーバが実際に発売されるのは第2四半期以降になりそうだ。

amd01.jpg 非営利プロジェクト「One Laptop Per Child」のノートPCを持つ日本AMDのエンタープライズビジネスデベロプメント本部長の多田和之氏。インテルがOLPCから離脱したため、AMDのみがプロセッサを供給する

 出荷遅れを受けながらもクアッドコアOpteronへの期待は大きく、東京大学、京都大学、筑波大学が新たに構築するスーパーコンピュータはいずれもOpteronを採用する。日本AMDのエンタープライズビジネスデベロプメント本部長で、グリーンIT推進室長を兼任する多田和之氏は、Opteronの電力当たりのパフォーマンスの高さを生かし、「グリーンIT活動でも業界に貢献したい」と話した。

関連リンク

(@IT 垣内郁栄)

情報をお寄せください:

アイティメディアの提供サービス

キャリアアップ


- PR -
ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

楽天グループが「楽天市場」出店店舗向けに「楽天AI大学」を公開
2024年3月より提供している店舗運営支援ツール「RMS AIアシスタント β版」に加え、AIツ...

中国発AIソーシャル工作のゾッとする実態をMicrosoftがレポート
Microsoftが中国を拠点とする影響力工作の増加についてのレポートを発表した。これは米国...

顧客の応募可能性をレシートで分析 読売新聞が新たな販促キャンペーンサービスを提供
システムインテグレーターのビーマップと同社子会社のMMSマーケティングは、読売新聞東京...