Hyper-Vに切り替える日はいつか来る

XenSource買収も事前に相談、MSとシトリックスの関係とは

2008/05/21

 米XenSourceの買収はどのように行われたのか、シトリックス・システムズとマイクロソフトの関係はどうなっていくのか――。米国ヒューストンで開催されている米シトリックスのカンファレンス「SYNERGY」で5月20日(米国時間)、米シトリックスのCEOであるマーク・テンプルトン(Mark Templeton)氏と米マイクロソフトの米マイクロソフト シニアバイスプレジデント ボブ・マグリア(Bob Muglia)氏が明らかにした。

citrix01.jpg シトリックスのテンプルトン氏(左)とマイクロソフトのマグリア氏(右)

 テンプルトン氏は、XenSourceの買収に際してマイクロソフトに事前に相談したという。

 「デスクトップの仮想化でフルスタック(関連コンポーネントのすべて)を提供したいと説明した。当時これを実現するためのマイクロソフト側のインフラ(注:Hyper-Vのこと)はまだ準備ができておらず、(当社は)デスクトップ仮想化市場で独走するヴイエムウェアと競争することができなかった。XenSourceとマイクロソフトの関係は良かったし、XenのアーキテクチャはHyper-Vと非常にマッチしていたので、まずXenで開発し、その後Hyper-Vで動かせると考えた」

 マグリア氏は、マイクロソフトはプラットフォーム提供者で、シトリックスはソリューション提供者であり続けるという棲み分けが、2社が安定した関係を続けられる秘訣(ひけつ)だと付け加えた。「マイクロソフトは広範に、水平的にモノを売ることがうまい。しかし企業ではテーラーメイドのソリューションも求めている。シトリックスはこの2つのモデルを適度に組み合わせられる企業だ。シトリックスがプラットフォームの分野でマイクロソフトを邪魔するようなことを始めたとしたら、関係を良好に保つことは難しかっただろう。マークは(Xenで)LinuxとWindowsで共通のインフラをつくれること、そしてそのうえでソリューションを提供することに専念すると説明してくれた」

 一方、マイクロソフトがXenを仮想化技術に採用しなかったのはライセンス上の理由によるものだったとマグリア氏は説明した。「GPL2に基づくXenでは、ホストOS、つまりLinuxに組み込まれたDom 0の部分をライセンスしてWindowsに組み込むことは不可能だった。マイクロソフトがXenを採用しなかったのは、ひとえにライセンス上の問題があったからだ。違うライセンスモデルのOpenPegasusなどは採用している」

 結局、シトリックスはXenSourceの買収によりXenServerを提供しているが、マイクロソフトのHyper-Vも今年中に登場の予定だ。Hyper-Vのリリース後、2社の関係はどうなるのか。「現在、顧客はわれわれ(シトリックス)からフルスタックを買うことができる。一方、Hyper-V上でXenDesktopを動かすこともできる。これは素晴らしいことだ。顧客は選択肢を持てる」(テンプルトン氏)。「Windows Server 2008のHyper-V搭載版と非搭載版の価格差は30ドル程度。業績に大きな影響を与える額ではない」(マグリア氏)

 テンプルトン氏は、シトリックスはいつかサーバ仮想化プラットフォームをHyper-Vに切り替えるつもりがあるのかとの質問にうなずいた。

 「付加価値提供者としての秘訣(ひけつ)は、プラットフォームにリソースを使いすぎないこと。1997年にMetaFrameを分割したことはシトリックスの歴史における最高のできごとだった。OSの部分をマイクロソフトにゆだねることで、当社は付加価値の構築にリソースを振り向けることができた。ただしいまは時期としてあまりにも早すぎる」

 アプリケーション・ストリーミングでも両社の製品は重複している。テンプルトン氏はこれについてもマイクロソフトの「SoftGrid」に切り替える日がいつか来るという。「マイクロソフトが米ソフトリシティを買収したときに当社が頼んだ最大のポイントは、これをプラットフォームにしてくれということだった。当時、すでにわれわれはアプリケーション・ストリーミングでかなり進んでいたし、当社の製品との統合の問題もあったが、環境が整えば検討する」と語った。

(@IT 三木泉)

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