マルチコアCPUを複数使い処理性能を大幅アップ
シトリックスがNetScaler強化、Webアプリ時代への対応急ぐ
2008/06/09
シトリックス・システムズ・ジャパンは6月9日、アプリケーションスイッチ「Citrix NetScaler」のパフォーマンスを強化した新シリーズ「Citrix NetScaler MPX」2製品を同日に出荷開始したと発表した。
NetScalerはサーバ群の前段に配置し、サーバ負荷分散、HTTP圧縮・最適化、SSL処理代行、Webキャッシュ、Webアプリケーションファイアウォールなどの機能を実現するボックス製品。シトリックスはこれを、アプリケーションがエンドユーザーに届くまでのすべてのプロセスで最適化を図ることを目指す、同社の「Citrix Delivery Center」構想の重要な要素と位置付けている。
同社マーケティング本部 本部長 山中理惠氏は、企業システムのWebアプリケーションへのシフトが進むなかで、コンプライアンス、事業継続性、管理性、モバイル対応などが要件としての重要性を増していると話し、Citrix Delivery Center構想の意義を強調した。NetScalerはISPやASPに利用されてきたが、今後はグローバル企業にも利用されるようになっていくだろうという。
新製品「NetScaler MPX 15000」「NetScaler MPX 17000」は、それぞれマルチコアCPUを2個搭載したことにより処理能力を強化。システムスループット(流入トラフィックと同量を送出できる上限の帯域幅)は2モデルとも15Gbpsで、従来の最上位機種である「NetScaler 12000」と比較して2.5倍となった。HTTPリクエストの処理能力は34万リクエスト/秒で、NetScaler 12000の1.3倍以上。MPX 2モデルが搭載するソフトウェアは当初は従来製品と同一だが、今後の新バージョンで、並列処理の高度化によりシステムスループットを20Gbps近くまで向上する計画もある。また、今回の新製品は、10Gbpsのインターフェイスを同製品シリーズで初めて搭載した。
「シトリックスはネットワーク製品だけでなく、XenAppやXenServerも提供しているところに強みがある」(同社 シニアプロダクトマネージャ 山村剛久氏)。今後NetScalerは、サーバ仮想化のXenServerと連携できるようになり、例えば急激にアクセス負荷が増大した場合、仮想サーバを追加的に立ち上げるようXenServerに命令する機能を搭載するという。
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