「Cosminexus Version 8」発表

日立がアプリサーバ新版、Full GC回避し「世界を止めない」

2008/10/02

 日立製作所は10月2日、基盤ソフトウェアの新版「Cosminexus Version 8」を発表した。企業内の業務ノウハウをシステム化して共有できる機能のほか、アプリケーションサーバにはフル・ガベージ・コレクション(Full GC)の発生を抑止する新機能を搭載した。

 Cosminexusは複数のミドルウェアで構成するスイート製品。Version 8ではアプリケーションサーバの「uCosminexus Application Server」を強化した。強化のポイントはJavaアプリケーションのレスポンスを遅らせるFull GCを抑制する新しいメモリ管理機能の実装だ。

 JVMには、Javaヒープ上のメモリに割り当てたセッションオブジェクトが使われなくなると自動でメモリ領域を開放するガベージ・コレクション機能がある。メモリリソースの有効活用につながる機能だが、このガベージ・コレクションが動いている間はJVMのほかの処理が停止、Javaアプリケーションのレスポンスが低下することが問題視されている。特にJavaヒープの「Old領域」内のセッションオブジェクトを開放するFull GCの処理は長時間かかり、それだけ長い時間、Javaアプリケーションが停止状態になる。

 日立製作所の情報・通信グループ アプリケーション基盤ソフトウェア本部長 林重年氏は「現状はシステムの冗長化や運用設計に時間をかけて、Full GCの問題を回避している」と指摘する。対して、日立がuCosminexus Application Serverで新たに実装したメモリ管理機能では、作成したセッションオブジェクトをNew領域、Old領域に置かず、Javaヒープとは別のメモリ上の領域に配置する。日立はこの領域を「GC対象外領域」と呼んでいる。GC対象外領域はその名の通り、GCで開放されることなく、ログアウトしたり、タイムアウトした場合にセッションオブジェクトが開放される。Full GCが発生せず、レスポンスの低下が起きないという。

hitachi01.jpg 日立が実装した新しいメモリ管理機能

 林氏によるとこのメモリ管理機能を使う上でJavaアプリケーションに変更は不要。「uCosminexus Application Serverを使うだけでStop the Worldを解消できる」という。uCosminexus Application ServerはほかにJavaEE 5.0対応、ユーザビリティの改善ポイントを抽出する機能などを実装した。

hitachi02.jpg 日立製作所の情報・通信グループ アプリケーション基盤ソフトウェア本部長 林重年氏

 Version 8のもう1つの目玉は新製品「uCosminexus Navigation Platform」の提供開始。企業内の業務ノウハウをフローチャートによって可視化し、ほかのスタッフと共有したり、プロセスの改善点を抽出することができる。

 価格はuCosminexus Application Serverが126万円から。11月28日に出荷開始する。uCosminexus Navigation Platformは840万円からで、出荷開始は2009年2月27日。

 また、日立はCosminexusを販売、導入するシステム・インテグレータで構成する「Cosminexus パートナーコミュニティ」を12月に立ち上げることも発表した。システム構築を効率化するツールである「SIナビ」や、共同マーケティング、トレーニング、技術サポートなどを提供する。コミュニティの新設で現在100社程度が加わっているパートナープログラムの参加社数を2倍にすることを目指す。

 日本オラクルが「WebLogic Application Server」の販売を始めるなどアプリケーションサーバ市場は競争の激化が予想される。日立の情報・通信グループ ソフトウェア事業部長 中村孝男氏は「オラクルはデータベースと合わせてトータルソリューションを提供してくると思うので、強力なコンペティターになる」と話した。

(@IT 垣内郁栄)

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