普及率を現在の65%から90%へ引き上げ
FCC、全米ブロードバンド計画を議会に提出へ
2010/03/16
米連邦通信委員会(FCC)は今週、米国の高速通信ネットワークの拡大を目指した全米ブロードバンド構想を発表する予定だ。FCCは3月16日に「National Broadband Plan」を議会に提出し、米国全域を最新のブロードバンドインフラでくまなく接続するための行動計画を示す。
この構想は「Connecting America: The National Broadband Plan」(米国をつなぐ:全米ブロードバンド計画)と題されている。FCCでは、過去10年間でブロードバンドのアクセスと利用が増加したが、米国はすべての国民と経済をブロードバンドの恩恵に結び付けるためにもっと努力しなければならないとしている。同委員会によると、現在、1億人近くの米国人の家庭がブロードバンドに接続されておらず、1400万人の米国人は希望してもブロードバンドを利用できない。障害のある人々でブロードバンドを自宅で利用しているのは42%にすぎず、先住民族居住区に住む人々でブロードバンドにアクセスできるのはわずか5%だという。
FCCの計画に示された今後10年間の行動予定には、1億世帯に安価な100Mbpsサービスを接続すること、米国のあらゆる地域において学校、病院、軍事施設などの拠点施設に最低1Gbpsの超高速ブロードバンドへのアクセスを安価で提供すること、500MHz帯を免許不要および要免許の帯域として新たに利用可能にし、米国がモバイル分野のイノベーションで世界をリードすること、ブロードバンドの普及率を現在の約65%から90%以上に引き上げることなどが含まれる。
そのほかにも、農村部のコミュニティー、学校、図書館、弱者に安価なブロードバンドを提供する、高い透明性を通じてブロードバンドエコシステム全体にわたる競争を促進する、市場への参入障壁を取り除く、正確なデータに基づいて価格、速度、可用性に関する市場分析を実施するといった目標が示されている。FCCは3月12日、「Consumer Broadband Test」と「Broadband Dead Zone Report」というデジタルツールを発表した。これらのツールは、コンシューマーがブロードバンドサービスをテストしたり、ブロードバンドが利用できない地域を報告したりするのに使用する。
Broadband Dead Zone Reportでは、ブロードバンドサービスを受けられないブロードバンド「デッドゾーン」の住所を提出できる。Consumer Broadband Testは、ブロードバンド品質の指標(速度や遅延など)を測定し、その情報をコンシューマーとFCCに通知する。
「National Broadband Planは、経済成長と投資の促進、雇用の創出、子供の教育、米国市民の保護および民主主義の擁護を目指した21世紀のロードマップだ」とFCCのジュリアス・ゲナコウスキー会長は語る。「これは行動計画だ。グローバル競争のチャレンジに対応し、ブロードバンドの力を活用して多数の重要な国家的問題に対処するためには行動が必要なのだ」
(eWEEK Nathan Eddy)
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