サーバやネットワーク機器のラック収容作業を支援

データセンターでの腰痛予防に「ServerLIFT」

2011/08/24

 ブルーオーシャンは8月24日、サーバやネットワーク機器、アプライアンスやUPSといったIT機器のラックへの収納/撤去作業を支援する「ServerLIFT」の販売を開始した。データセンター事業者や通信事業者、大規模企業向けに販売していく。

 ServerLIFTは、荷物を運ぶ台車と、IT機器を上げ下げするリフトを合体させたような製品だ。台車部分にサーバなどの機器を載せて運び、ラックの前でスイッチを入れると台座ごと機器が上下するため、収納/撤去作業をスムーズに行える。最大積載量は225kgで、244cmの高さまで持ち上げることが可能だ。

serverlift01.jpg データセンターにおけるServerLIFT利用のイメージ

 これまでIT機器のラッキング作業は、もっぱら担当者の「力仕事」に頼っていた。だがラックに収納されるべきIT機器は概して重たい。1Uサイズのサーバでも数kg、ブレードサーバなど大型の機器やUPSになると1台で50kgから100kg近くにもなる。この運搬を手作業で行っていると、機器の落下などで担当者が怪我をしたり、衝撃で機器自体が破損する恐れがあった。

 ブルーオーシャンによると、米国のデータセンターにおける労災事故の60%は、作業時に発生したぎっくり腰などの腰痛関係だという。また、フォークリフトを使ってサーバをラックに収容しようとした際に落下し、足に怪我をした従業員が企業に賠償を求めたケースもあったという。

 ServerLIFTによって、ラッキング作業時の安全性を高め、不慮の事故やIT機器の破損リスクを避けることができる。また「シェアードラック環境で作業しているときに機器を落として、他の顧客に迷惑を掛ける可能性もなくなる」(ブルーオーシャン代表執行役員社長兼CEO、谷口忠彦氏)。

 谷口氏はServerLIFTを、湿布を貼って腰痛をだましだまし働いているデータセンターの運用者を応援する製品だと述べた。「次世代データセンターは、テクノロジで先を行くだけでなく、人の体をいたわるものでなくてはならない」と同氏は述べ、こうした機器を貸し出し用に用意しておくことも、差別化につながるとした。また企業にとっても、コンプライアンスや労働環境の安全保全という面でメリットがあるという。

 ServerLIFTの価格は198万円。箱から機器を取り出すときのつり下げ機能などを提供する拡張オプションは19万2000円。米国ではIBMやAmazon.com、Intelなど多くの企業で採用されているという。

(@IT 高橋睦美)

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