「電話帳」やアプリの追加で付加価値提供

リコーとシスコが協業、中小企業向けにクラウドでUC

2012/06/05

 リコージャパン(リコー)とシスコシステムズは6月5日、中堅中小企業向けのユニファイドコミュニケーションサービス提供に向け、協業することを発表した。シスコのユニファイドコミュニケーション製品「Cisco Unified Communications Manager(UCM)」をリコーのクラウド基盤上で運用し、回線や端末、運用管理サービスなどとともに提供する「リコービジネスインターネットサービス」を、2012年10月から提供する。

 リコーはこれまで、通信コミュニケーション事業の一環として、PBX/ビジネスフォンやユニファイドコミュニケーションサーバ製品を販売してきた。しかし、オンプレミスでこうした製品を導入できるのは、予算やIT部門に余力のある企業に限られる。そこで、ビジネスコミュニケーションのためのアプリケーションをクラウドサービスとして提供することで、導入/運用コストを下げ、手軽に導入できるようにするという。

 リコービジネスインターネットサービスでは、クラウド経由で外線/内線電話やチャット、ビデオ会議といったコミュニケーション機能を提供する。同時に、クラウドと自社ネットワークをつなぐ回線(IP-VPN)とQoS機能などを備えたルータ、シスコのIPフォンやスマートフォンをはじめとする端末もパッケージ化。リコーテクノシステムズによる運用管理サービスやサポートも含めて、ワンストップで提供する。

 一連の機能は、PCではWebブラウザから、またスマートフォンからは専用アプリから、「クラウド電話帳」という一種のポータル経由で利用できる。電話帳には、登録されているユーザーのプレゼンス情報も表示され、ワンクリックで発信が可能だ。また、クラウド側で情報を管理するため、漏えいなどのリスクを心配しなくて済むこともメリットという。

 リコーでは、Cisco UCMやWebEXといったシスコの製品群をベースに、いくつかアプリケーションを追加することで付加価値を提供する。また、テンプレートを用意することで、業種、業態ごとの異なるニーズにも対応する方針だ。

 リコーの代表取締役社長 執行役員の佐藤邦彦氏は、同サービスによって生産性の向上と通信コストの削減を実現し、「お客さまの仕事の仕方を変えていく」と述べた。同サービスの料金は、100ユーザー/2拠点の場合で月額20万円程度になる見込み。

(@IT 高橋睦美)

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