ティントリが日本法人を設立

「仮想化専用」ストレージアプライアンスが本格的に国内展開

2012/06/19

 VMware環境に最適化されたストレージアプライアンス、「Tintri VMstore」が日本法人設立により、本格的に国内展開される。ティントリジャパンは6月18日、同日に合同会社として登記を終えたとし、VMstoreについて説明した。

 データドメインの日本法人を立ち上げた河野通明氏と首藤憲治氏が、ティントリ日本法人を担う。河野氏は、仮想化とフラッシュの進化が進んだいまはちょうどよいタイミングといい、データドメイン日本法人設立のころと同様な環境が整ったと話した。

tintri01.jpg ティントリジャパンの職務執行者社長に就任した河野通明氏

 ティントリのVMstoreはフラッシュストレージを活用する、仮想化に最適化された高速NASアプライアンス。「仮想化に最適化」の意味は、仮想マシンファイルを認識し、これに基づいてパフォーマンスや容量の管理を行えるからという。現在はVMware専用といえるが、今後他のハイパーバイザにも対応するとしている。そして「アプライアンス」といっている意味は、このパフォーマンスや容量の管理を大幅に自動化し、容易にしているからだ。

 VMstoreには2モデルあるが、いずれもフラッシュドライブとハードディスクドライブをRAID 6構成で搭載する。フラッシュは読み書き双方のキャッシングを行い、最大99%のデータをフラッシュから提供できるとする。さらにスケールアウト構成で、容量とパフォーマンスを確保できる。

 VMstoreの最大の特徴は、VMwareの仮想マシンや仮想ディスクを認識し、これに基づくチューニングが行えること。一部で指摘されているアラインメント問題(仮想マシンファイル自体のデータブロックとストレージ媒体のデータブロックをそろえないとパフォーマンスが落ちるという問題)にも、これによって対応するという。VMstoreでは、仮想マシンファイルそれぞれについてのメタデータに基づいて、各ファイルの最適な配置をコントロールする。ある仮想マシンあるいは仮想ディスクを完全にフラッシュドライブ上に配置したままにしておくよう、指定することもできる。管理者は仮想マシン単位でパフォーマンスや容量消費の状況を監視し、必要なアクションをとることができる。パフォーマンスについては、サーバ、ネットワーク、ストレージがそれぞれどれくらいの遅延をもたらしているのかをビジュアルにリアルタイムで確認できる。

tintri02.jpg 仮想マシン単位でパフォーマンスのボトルネックを可視化できる

 特にデスクトップ仮想化では、スナップショット/クローンを利用し、ストレージの容量効率を高めることが行われる。Tintriでは,ボリュームではなく仮想マシン単位でスナップショット/クローンが作成できるため、作成所要時間は大幅に短縮できる。ティントリでは、仮想マシン単位のレプリケーションについても今後対応の予定という。

 VMstoreはインラインの重複除外も行うが、同製品の最大の目的はI/Oインテンシブな環境で高いパフォーマンスを提供すること。ティントリでは、一般的なサーバ/デスクトップ仮想化に加え、仮想化したデータベースのためのストレージとして利用するにも適したアプライアンスとして、VMstoreを推進している。価格の目安は、2モデルのうち上位の「Tintri VMstore T540」が、フラッシュ8×300GB、SATA HDD 8×3TB、デュアルコントローラ、ギガビットイーサネット×2ポートといった構成で、標準価格が約1500万円。

 VMstoreは2011年9月より、ノックスが国内で販売している。同社は引き続き、Tintriの販売代理店として活動する。ティントリジャパンは、国内販売代理店の数をむやみに増やすつもりはないとしている。これまで国内では、20社に対して30台を販売済み。ユーザーとしてはNEC BIGLOBEなども含まれているという。今後は2012年12月末までに、50台の販売を目指すとしている。

(@IT 三木泉)

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