[Analysis]

無線LAN元年となるか?

2002/04/09

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 ADSLの低価格化により、昨年が有線ブロードバンド普及の年だとしたら、今年は無線ブロードバンド普及の年となりそうだ。

 Windows XPでの無線LAN規格のサポートや、メーカー各社の無線LAN対応ノート型PCのリリースのほか、アクセスポイント、無線LANカードなどの機器の種類が豊富になり、価格も下がりつつある。また、サービスという点では、ファストフード店やホテル、駅など、街に無線LAN環境を提供する“ホットスポット”が急増、無線LANカードとノートPCで、外出先での高速データ通信が実現しつつある。

 無線LANの導入を決定したあるホテルの担当者は、「サービスとしてのインターネット環境を考えたとき、(ユーザーがPCを持って好きな場所に)移動できるというメリットが魅力的だった」と語る。このように、無線LANはそのモビリティと導入の容易さという長所を持つ。

 だが、ほかの技術同様、無線LANも規格として完全ではない。現在の主流であるIEEE802.11bの欠点はセキュリティ面とされており、アクセスポイントを共有しているユーザーの間でファイルを読み取ることが可能など、さまざまな危険がある。現在、IEEE(米電気電子学会)では、さらなる安全性の強化と通信の高速化を目指し、802.11a、802.11gといった規格を承認あるいは策定中で、これらの規格をサポートした製品も登場しつつある。だが、これらの規格間での互換性は必ずしも保証されているわけではない。

 また、ホットスポットに関しては、ビジネスとして成功するかどうかはこれから。現在、ホットスポット・サービスの多くは“実験”として無償で提供されており、近い将来、提供者は収支のバランスのとれた価格設定を見極める必要がある。

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