[Analysis]

Linux、いまが飛躍の前夜

2002/08/23

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 先週、米国で「LinuxWorld Conference and Expo」が開催されたこともあり、このところLinux関連の動きが目立つ。

 まず、今年6月に米カルデラ、ブラジルのコネクティバ、米ターボリナックス、独SuSE Linuxの4社がLinux統一ディストリビューション開発を目指して結成した新団体「UnitedLinux」が、ベータ版を今月中にもリリースすると発表した。対する米レッドハットは、AMDとの提携やデスクトップへの進出を明らかにするなど、引き続き積極展開している様子をアピールしている。また、今週に入り、UnitedLinuxの1社、米ターボリナックスはLinux事業部および日本の子会社などをSRAに売却するとを発表、今後は日本企業「ターボリナックス」として再生を図る。Linux OSのディストリビューションをビジネスとして確立することの難しさを物語る結果となった。

 もう1つのビッグニュースがサン・マイクロシステムズだろう。2000年にコバルト・ネットワークスを買収したものの、同社のLinuxへの態度は必ずしも分かりやすいものとはいえなかった。そのサンが米国に引き続き日本でも汎用Linuxサーバ「Sun LX50」を発表、大手を振ってLinuxをサポートするハードウェアベンダの仲間入りをした。また、サンの会長兼CEO スコット・マクニーリ(Scott McNealy)氏はLinuxWorldで、デスクトップにおける戦略として、同社のオフィススイート「StarOffice」を搭載したLinuxベースのPCという計画を明らかにするなど、本格的にLinuxに取り組む姿勢を訴えている。

 1999年ごろの過熱気味だったブームが過ぎ去ったいまこそ、Linuxは本格的な飛躍の前夜にあるのかもしれない。

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