[Analysis]

サービスとしてのソフトウェアという考え方

2004/04/27

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 最近のIT業界は「サービス指向アーキテクチャ」が花盛りである。Service Oriented Architecture、略してSOAという。サービスとしてソフトウェアをとらえることを前提とした、情報システム構築の基本構造といえばいいだろうか。    SOAという言葉あるいは基本的な概念自体は必ずしも新しいものではないのだが、技術的な制約がその2存在をマイナーなものにしていた。しかし、現在の情報技術の進化は、SOAを実用可能直前の存在にまで押し上げている。SOAはシステム(コンピュータ)間で相互に通信するための標準インターフェイスが定義されている。従来、多種多様な固有技術の集積体であったコンピュータ群が、互いの性質の違いを乗り超えて、お互いに通信することができるようになりつつあるのである。これはIT業界の夢といってもいい。

 IBMやヒューレット・パッカード、マイクロソフト、BEAシステムズといったIT業界の大手企業はSOAに巨大なビジネスチャンスを期待している。“IT業界がSOAで花盛り”といったのはそういう意味である。SOAとはいわば、これまでIT業界が蓄積してきたさまざまなな技術の、現時点での総まとめと考えればいい。    IT業界は新技術の発表を繰り返しながら、次の瞬間には陳腐化した技術を否定し、時には利用し、「次世代技術! 次世代技術!!」の掛け声とともに時代を走ってきた。SOAは確かにそのような、技術トレンドが生み出したキーワードの側面もある。しかし、“システム間の相互通信”という底流に流れる考え方は、愚直なまでにシンプルで当たり前であり、一時期のトレンドを超えた存在といってもいいのではないだろうか。

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