[Analysis]

起業するなら奈良か浜松町

2004/10/26

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 面白い調査結果を国土交通省が9月に発表した。ソフト系IT産業の事業所の廃業が増えていて、逆に開業率が減少しているという調査結果だ。2003年9月から2004年3月にかけての廃業率は10.7%、開業率は10.5%で廃業率が開業率を上回る状態が続いている。一方、地域別に見ると事業所が増加しているところがある。開業数の伸び率が最も高い都道府県は奈良で、都内では浜松町が高かった。

 ソフト系IT産業とはインターネット関連サービス、ソフトウェア業、情報処理サービスの3つの業種の総称。調査はNTTタウンページをチェックして、事業所数を把握した。

 調査結果によると2004年3月のソフト系IT産業の事業所数は3万5780で、2003年9月から48件減少した。2003年9月から2004年3月にかけて開業した企業は1875社。一方で廃業したのは1923社だった。1875という開業数は1999年の調査開始以来、最低の値。ただ、インターネット関連サービスは開業率(19.5%)が廃業率(14.5)を上回っていて、「3業種の中で唯一、依然活発な参入が行われている様子」としている。

 開業数の伸び率が最も高い都道府県は奈良で、開業率は32.8%だった。次いで鹿児島、山口、山梨、大阪の順で開業数の伸び率が高かった。都内では渋谷区、港区の事業所数が増加。主要駅の伸び率では九段下や上野、神田が高かった。最も高い伸び率を記録したのは浜松町だった。

 調査結果ではなぜ奈良や浜松町の開業数の伸び率が高かったのかの分析はしていない。ビットバレーと呼ばれた渋谷区で開業数が多いのは理解できるが、なぜ奈良と浜松町なのだろうか? 自治体がIT企業の支援策でも用意しているのか、それともIT企業を呼び込む大きな需要があるのだろうか。

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