[コラム:Spencer F. Katt]
禁断のパーティに忍び込むクレバーな方法

2002/9/21


 パーティ会場には、吾輩も人目を気にしながら後ろ向きに、こっそり忍び込むことがよくある。中国のインターネットユーザーも、同じようなアイデアを考えついたようだ。先週、中国政府はついにGoogleへのアクセスを禁止したが、ユーザーは“elgooG”という名前のミラーサイトで検索エンジンを利用しているという。

 そのミラーサイトの検索エンジンは、多くのメディアが伝えたような、単にGoogleのキャッシュデータを複製したものではない。検索リクエストのスペルを逆方向から入力するという、非常にクレバーな仕組みのGoogleキャッシュへのリンクなのだ。

 まぁ、どっちを向いて入ろうが、パーティには参加できるってことだね……。

 検索エンジンへのアクセス禁止で批判を受けている中国政府は、特定のWebサイトにアクセスしようとしたユーザーを自国内の別サイトへとルートを変更するというハイジャックまがいの行為についても、インターネットのさまざまなグループから糾弾されている。

 なんだか、それって、知らない間にだれかがいつもの洗剤を新製品に交換しちゃうテレビCMとよく似ているね。

 一方、インターネットのもう1つのポピュラーブランドであるeBayには、ミラーサイトではなく、ポリティカルなパロディサイトが登場した。カリフォルニア州知事候補のビル・サイモン陣営が、“e-Gray”というWebサイトを開設したのだ。もちろん、現職のグレイ・デービス州知事を誹謗(ひぼう)中傷するためのサイトだけど。

 このページ、オークションサイトを徹底的にパロッていて、恐喝許可証やダイオキシン投棄許可証といった偽アイテムが高額で落札できるようになっている。

 まぁ、ポルノなんかがあれば、もっと人気が出るんだろうけどね。それにしても、政治家がWebで汚い手を使う世の中になったなんて……。

 シーベル・システムズのCEO、トム・シーベルは最近、第4四半期の業績について楽観的な見通しを明らかにした。しかし同時に、「戦争が始まったらどうなるかわからない。すべては白紙だ」とも述べている。

 でも、吾輩思うに、同社はイラクのことより、社内の問題について考えたほうがいいような気がするね。シーベルは最近、国際販売部門の最高責任者を交代させた。新たに同部門のトップに就任したリチャード・チアレロは、IBMやコンピュータ・アソシエーツの販売部門を統率した経験を持つという。

 問題は、そのチアレロ氏がいったいだれの後任かという点だ。表向きは国際販売部門担当役員代行のマーク・ハドソンから権限を引き継ぐことになっている。ところがハドソンは、そのポジションをいつ前の国際販売部門担当役員、ウィリアム・マックダーモットから引き継いだのだ?

 それはさておき、倹約家の吾輩は、マイクロソフトがつい最近退社した前社長のリック・ベルーゾに1500万ドルの融資を許諾したと聞いて、ぼうぜんとしてしまった。すごいねぇ。まぁ、結局、市場独占が生み出す膨大な利益の一部に過ぎないのだろうけど……。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週末更新予定です

[英文記事]
Surfers Sneak Into Site Through the Back Door

Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.

Spencer F. Katt バックナンバー

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)