[コラム:Spencer F. Katt]
マックのメニューから消えたオラクルのERPプロジェクト

2003/1/21


 「そうよ、baniasはもういない……」。インテルが次期モバイルプロセッサの正式名称を「Centrino」にすると発表したとき、吾輩はそんな調子はずれの歌を口ずさんだ。新しい名称はそんなに悪くはないけど、ロゴがいただけないね。なんかMSNバタフライから羽をもぎ取ったみたいだ……。

 MSNといえば、先週、インスタント・メッセンジャーが使えない状態が6時間近くも続いた。おそらくユーザーの非難は、なにも知らない店頭の哀れな販売スタッフたちに集中したに違いない。同社によると、新しいルータのインストール作業にミスがあり、サービス全体が停止してしまったのだとか。

 それはそうと、吾輩の友人からの情報によると、昨年末に出荷が見込まれていたマイクロソフトのCRM製品は、3月後半のリリースになりそうだという。マイクロソフトでは出荷を「第1四半期」としかしていない。

 「マイクロソフトはなんらかの形で出荷に持ち込み、とりあえず2月リリースの実績を作るかもしれないね。でも、実際に製品がユーザーの手に届くのは、春以降になるはず」と、その友人は話す。

 オラクルは最近、マクドナルドからの“礼儀正しい”通告に驚き、頭を抱え込んでいるらしい。というのも、このところの株価低迷で、このファーストフード・フランチャイズは、総額数百万ドルに上るオラクルとのERPプロジェクト「Innovate」の中止を決定したからだ。マクドナルドの突然の撤退により、オラクルは同プロジェクトで働いていた従業員たちに解雇通知を出さざるを得なくなったという。

 先月、トライアックス・ホールディングスという会社が、ソフトバンク・アメリカからキースリーメディア・グループの株式3670万株を総額2ドルで買い取った。実にミステリアスな話だ。登記上、バハマに本社を置くトライアックスは、キースリーメディアの株式の53.55%を取得し、一時は興隆を極めた展示会運営会社の経営権を手にした。そして経営委譲とともに、すでに膨大な赤字に苦しんでいたキースリーメディアは債務不履行となった。

 ところが収まらないのは債権者たちだ。今回の動きは詐欺行為にあたるとして、マサチューセッツ州の司法当局に訴えた。もしキースリーメディアの売却が連邦破産法第7条によるものであるなら、その価値は3.75ドル(同社株式の54パーセントが2ドルであると仮定した場合に算出される金額)以上になるはずだ、としている。たとえキースリーメディアの会長、フレッド・ローゼンに何か奥の手があるとしても、債権者たちがこのまま引き下がることはないだろう。

 最近はインターネットを利用した物乞いも、ずいぶん手が込んできたね。どうみても普通のギャルが開設したサイトのように見えるけど、彼女は豊胸手術の費用を集めるために、このサイトで寄付金を募っているのだ。トライアックス・ホールディングスも、あと2ドルくらいは出せるんじゃないだろうか。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Mickey D's Takes Oracle ERP Project Off Menu

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