[コラム:Spencer F. Katt]
民主党全国大会のブロガー席から

2004/8/17


 その日、eWEEK編集部では、民主党全国大会を取材するために、ボストンのフリートセンターを囲むセキュリティの迷宮に誰を送り込むか話し合われていた。もちろん、吾輩は「ぜひ行かせてくれ」と真っ先に手を上げた。編集部内では取材許可証や入場券をめぐって、豪華なパーティ券やジェームス・テイラーあるいはレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のコンサート・チケットが飛び交っていたが、吾輩は断固とした口調でもう1度言った。「ぜひ行かせてくれ」

 フリートセンターを取り囲む高いフェンスに沿って歩いていると、メディア専用のエントランスが見つかった。長い行列に並び、空港に設置されているような大掛かりな金属探知機を通り抜け、ようやく会場へ入ることができた。大会事務局がくれたメディア・バッグの中身を調べてみると、クラフトのマカロニ・チーズ、インスタントコーヒー、ジュース、ドライフルーツなどのパッケージが出てきた。なんだか政府の食糧配給を受けているような気分になった。大きなチーズが入ってないのが、ちょっと不満だったが……。

 取材許可をもらったブロガーたちも、大勢イベント会場に押しかけていた。吾輩が見たところ、彼らが伝統的なプレスのステータスを獲得するまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。主要メディアの記者たちはボックスの特等席にふんぞり返っていたけど、ブロガーたちに割り当てられた席はノーズブリード・セクション(最上階の安い席)として知られるセクション320の最後尾の5列だった。もっとも、幸運なことに無線LANの恩恵はブロガーたちにもあまねく享受できたので、吾輩もその席に腰を下ろし、早速電子メールをチェックすることにした。

 ある友人からのメールによると、BEAシステムズの社内に動揺が広がっているという。鬼才アダム・ボスワースが退社して、グーグルに合流したからだ。そうした状況でコメントするのは苦しかったのだろう。同社の役員が、数週間前にセッティングしたプレス・ミーティングをドタキャンしたとか。ボーランドのQuattroやマイクロソフトのInternet Explorer、BEAのWebLogicなどの製品開発に携わったことで知られるボスワースだが、グーグルで何をするかについては沈黙している。ただ、BEAでの処遇に不満があったわけではないらしい。友人によると、ボスワースの才能を高く評価しているレドモンドの関係者たちは、今回の移籍がマイクロソフトの研究開発にどのような影響を及ぼすか、強い関心を持って見守っているそうだ。

 突然、「ブロガーって何だね?」と、空席を探しているらしい1人の代議員が話しかけてきたので、「そういう質問をしなきゃならないようなら、あんたはここに座れないよ」と吾輩は丁重に答えてやった。

 そのとき携帯電話が鳴った。聞こえてきたのは親友の声だった。彼は、近く発表される「インターネット通信国際協議会(International Council for Internet Communications)」について吾輩に教えてくれた。この非公式のワークグループは、8カ国のハイレベルな企業エグゼクティブと法律家によって構成され、それぞれの国のスパムとインターネットに関する法律知識を共有し、国際協調的なスパム対策のロードマップの立案を目指すという。

 いったい誰がナイジェリアの人々に吾輩のことを「選ばれたビジネスマン」だといいふらしているのか突きとめることができれば、たいしたもんだけどね……。

 電話を切ったあと、会場を見渡しながら、吾輩は息を呑んだ。フリートセンターを埋め尽くした大勢の代議員たちが、「We Are Family」の曲に合わせて気取りながらダンスを踊る姿ほど、見る者を当惑させる光景はそれほどないかもしれない。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Kerryin' On

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