[コラム:Spencer F. Katt]
最もスパイウェアと疑わしいソフト?

2005/3/8


 ボストンで開催されたLinuxWorldのHPブースには、「Change is good」という横断幕が掲げられていた。カーリー・フィオリーナが辞任したいまとなっては、元気いっぱいのスローガンも皮肉なものだ。ブースの前を行き交う人々とともに、“Nothing but Blue Skies Ahead”と心の中で口ずさむ吾輩であった。

 フィオリーナが退社したあと、HP社内を1つのジョークが駆け巡ったという。それはこんな内容だ。あるとき彼女はどういうわけか天国の門の前に立っていた。すると天使がやってきて、このまま回廊を進み、右手にある最初のドアから入るようにといった。スーパースターCEOがいわれたとおりにドアを開けると、そこは苦悩する魂が紅蓮の炎に焼き焦がされる灼熱地獄だった。びっくりした彼女は急いで引き返し、天使に文句を言った。すると天使はこう答えた。「ああ、言い忘れてました。私たち合併したんです」。

 ハインズ・ベテランズ・メモリアル・コンベンションセンターを取り巻くように軒を並べるブランドショップの窓には、「LinuxWorldへようこそ」というサインが掲げられていた。しかし吾輩思うに、オープンソースな人々の興味はヒューゴボスの高級ブレザーより、どちらかというと、安くてうまいフードコートのほうだろうね。

 そのあと吾輩は友人とカクテルを飲みながら、Solarisマニアを自認する1人の男の話を聞いていた。その男によると、GPLベースで働くLinuxカーネル開発者たちは、スタートレックに登場する「ボーグのようなものだ」というのだ。「やつらは“同化”する」らしい。Linuxの主要な部分はFreeBSDの開発者たちが作り上げたものだ、とサンの信奉者は指摘し、同社のCDDLライセンスは彼らのつまみ食いを許さないと力説した。

 さらにもう1つ、面白い話を聞いた。オープンソースの専門家で、リーナス・トーバルズが来られないときのセカンドチョイスと誰もが認める多弁な話し手、ブルース・ペレンスだが、彼はマイクロソフトがいずれ“Linuxとの著作権争い”に本腰を入れてくると予測し、ネイサン・ミアボルドのIP専門ベンチャーキャピタル、インテレクチュアル・ベンチャーズなどが代理攻撃を仕掛けてくるに違いない、と周囲に話しているらしい。

 今回のLinuxWorldの開催テーマは“選択”だった。そこで吾輩も友人を何人か選択して、道の向こう側にあるバーに繰り出した。ひと通り注文を終えると、携帯電話にサンフランシスコのRSAイベントを取材していた情報屋から報告が入った。向こうでは、ビル・ゲイツが基調講演で自社のアンチ・スパイウェア製品のデモを行い、「SpyNet」と呼ぶWebサイトを大々的に宣伝していたそうだ。このサイトには、ユーザーのPCから検出したスパイウェアと疑わしきソフトが提出される仕組みになっている。情報屋が笑ったのは、そのWebサイトのスクリーン・ショットが表示されたときだ。SpyNetに送信された疑わしいソフトで最も多かったのが、iTunesだったのだ。送信された件数は、じつに5万を超えていたという。

 電話を切ると、友人の1人がビル&メリンダ・ゲイツ財団のことを話をはじめた。なんでも同財団は先ごろ、ニューヨーク市のパブリックスクール制度に2800万ドルを寄付したそうだ。ところが皮肉なことに、ゲイツの気前のよさは、かってマイクロソフトを反トラスト法違反で追い詰めた米司法省の元検事ジョエル・クラインを助けることになったという。彼は現在、ニューヨーク市委員会の委員長を勤めており、寄付金集めの中心人物なのだ。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
LinuxWorld Laughs

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