[コラム:Spencer F. Katt]
CAはクエストを恐れている?

2005/3/30


 「エンタープライズ号のみなさん、さあ、グラスを挙げてください」。マサチューセッツ州のルート128近くにあるレストランのバーで、吾輩は大声を張り上げた。「偉大なカナダ人俳優、ウイリアム・シャトナーの誕生日に乾杯!」

 ハイテク・ワーカーで賑わうバーカウンターで、カーク船長の誕生日の祝杯をあげれば、もっと愉快なレスポンスがあると思ったのだが、あにはからんや。敵意をむき出しにした女支配人は、2人のウエイター見習いに命じて吾輩をレストランの外に引きずり出し、すぐ横の茂みの中に投げ飛ばしてくれたのである。

 ところが、どさくさに紛れてポケットに放り込んだサム・アダムス・ウィンター・ラガーのボトルは無事だったし、ニューイングランドの穏やかな気候も心地よかった。そして茂みの中は、レストランのテーブルを待つ人々の会話を盗み聞きするのに最適な場所だったのである。

 小枝の隙間から外をうかがうと、少しカジュアルな服装をした40代のビジネスマンらしき3人が、インターネット・セキュリティ・システムズ(ISS)の不正侵入防止装置が散々な評判だという話をしていた。たしか2年ほど前、同社の顧客を中心にそこそこ売れたデバイスだ。そのうちの1人によると、顧客の中には、NFRやマカフィー、シスコの製品にリプレースする動きも出ているらしい。別の1人が同社の技術力に問題があった点を指摘すると、もう1人はISSの保守費用が高すぎることを批判した。

 そのとき携帯電話が鳴った。鳴ったのは吾輩のポケットの中のやつだが、外の3人が勘違いして、それぞれ自分の携帯電話をいっせいに取り出したのには笑った。電話の声の主は、いつもの友人だった。彼の情報によると、ネットワーク・アプライアンスの創立者で技術担当上級副社長のデーブ・ヒッツが、これまで以上にアグレッシブな役割を担おうとしているらしい。同氏は今後、M&Aチームと連携してビジネス開発に全力で取り組む意向を示しているという。しばらくはネットワーク・アプライアンスから目が離せないね。

 電話を切ったあと、ディナーを終えて店を出てきた客が、吾輩の目の前に置いてあったゴミ箱に書類の束を投げ込んだ。なんだろうと思って取り出してみると、コンピュータ・アソシエイツがSEC(証券取引委員会)に提出した書類のコピーだった。日付は3月7日だ。どうやらCAと技術戦略上級副社長兼チーフ・テクノロジー・オフィサーのマーク・バレンシエ氏の間で交わされた退職合意の写しのようだ。ある項目を見ると、CAの非競争合意の対象は、IBM、マイクロソフト、BMC、EMC、そしてクエストであるらしい。クエスト以外は、すべて業界のビッグ・プレーヤーだ。どうしてCAは、クエストなんかを恐れるのだろう? 茂みの中に身を潜めているとはいえ、吾輩もジャーナリストのはしくれだ。ちょっと調べてみる価値はあるな、と思った。

 すると、「エアメッシュ・コミュニケーションズがカリフォルニア州セリトスの市バス路線で世界初のWiFiサービスを展開するらしい」と話す声が聞こえてきた。エアメッシュといえば、昨年セリトスに8.6平方マイル(13.76平方キロメートル)のホットゾーンを構築した会社だ。詳しく聞こうと身を乗り出すと、運悪く目の前にいたレストランの客に見つかってしまった。「そんなところで何してるんですか?」と不審な目で見られたので、吾輩はどぎまぎしながら、「いや、なに、その、船長の誕生日を祝おうと……」などと口ごもり、その場から一目散に逃げ出したのであった。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Enterprise Reporter

Copyright(c) eWEEK USA 2002, All rights reserved.

Spencer F. Katt バックナンバー

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)