[コラム:Spencer F. Katt]
ローソン、ボストンでゲリラ活動?

2005/5/31


 「どうか地震が来ませんように」と祈りながら、吾輩は新しくオープンしたサンフランシスコのモスコーン・ウエストに足を踏み入れた。以前からあるモジュールとは対照的に、そこは「地震なんかクソ食らえ」とでも言いたげな全面ガラス張りの地上アーキテクチャが採用されていたからだ。

 今年、ガートナー主催の「Symposium/ITxpo」を取材するにあたり、吾輩は特許出願中のセッション・カバリング手法を用いることにした。それは“スピード・デーティング”、つまり短時間で複数の相手と順番に会話していく集団見合い方式と似ている。重火器並みのエスプレッソを補給しながら、吾輩はセッションが終わるのをじっと待ち、終了直前、部屋から部屋へと猛ダッシュし、パワーポイントの最後の1ページにまとめられた重要ポイントだけを次々にメモしていったのだ。と、得意げに話していたら、おせっかいな友人が親切にもこう指摘してくれた。「でもさ、プレゼンテーションって全部、ガイドブックのCD-ROMに収録されてるよ。その中から最後のスライドだけをチェックすれば、もっと効率的なんじゃないの?」

 意気消沈していると、ポケットの中で携帯電話が鳴った。聞こえて来たのは、いつもの情報屋の声だった。彼の話によると、スリーコムに買収されたティッピング・ポイントのCTOで戦略責任者だったマーク・ウィルビーク・ルメイヤーが、スリーコムの上級役員に指名されるらしい。どうやらセキュリティ・ストラテジストというポジションになりそうだという。

 ところで、IBMのソフトウェア・チーフ、スティーブ・ミルズと、シスコの上級副社長で製品開発担当ゼネラルマネージャー、チャーリー・ジャンカルロの猛烈に眠気を誘うパネル・ディスカッションの最中に、吾輩を救ってくれたのはWiFiの女神だった。「複雑であることは悪、単純であることは善」などというディスカッションのメッセージを聞きながら、吾輩は友人とインスタント・メッセージのやり取りを続けた。相変わらずこんな企画ばかりじゃ、ガートナーもやばいんじゃないのかねぇ……。

 ところで、ボストンの友人からのインスタント・メッセージによると、SAPの「Sapphire」カンファレンスの会場周辺では、ローソン・ソフトウェアがゲリラ・マーケティングをやっていたそうだ。ローソンは広告トラックを2台調達して、ビーンタウン・コンベンションセンターの周りをぐるぐる回らせていたらしい。そのうちの1台の看板には、英単語“sap”の辞書的定義として、「土台の下を掘る、または徐々に消耗させる、弱らせる」と大書きしてあったそうだ。で、別の1台はというと、デカデカと「ローソンは顧客第1主義のアメリカのソフトウェア会社です」。

 パネル・ディスカッションが一向に盛り上がらない中、「消費者に分かりやすい単純な製品を作ることは、じつは非常に複雑なことだ」というジャンカルロの言葉に、吾輩はしばし考え込んだ。シスコはリンクシスのホームユーザーのおかげで、どれくらい儲けているんだろうか?

 その日の夕刻、気分転換になにか楽しいことでもしなきゃ、と思った吾輩は、レッドソックス・ファンの一群を追いかけてマカフィー・コロシアムへと向かった。ちょうどアスレチックスがホームグラウンドにレッドソックスを迎えていたのだ。レッドソックスの帽子とお宝物の「ワールドシリーズ優勝6回 ボストン・レッドソックス」ジャケットを羽織って応援した吾輩だったが、残念なことにその甲斐もなく、レッドソックスはオークランドに6対4で敗れてしまった。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Gartner Cuttings

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