[コラム:Spencer F. Katt]
こんにちは、グーグルちゃん

2005/11/8


 背筋に寒気を感じたのは、ハロウィンの予兆のせいではなかった。先週、吾輩を含む全米の紳士を震撼させたニュースの発信源は、ミズーリー州に本拠を置くサビス・コミュニケーションズのCEO、ロバート・マコーミックだった。彼は、ニューヨークの有名なストリップクラブ「スコアーズ」から請求された24万1000ドル(2825万円)の支払いを拒否して、アメリカンエクスプレスから訴えられたのだ。彼と連れ合いの3人が楽しんだラップダンスと飲食代の合計は一晩で6桁の金額に達したとする店側の主張に対し、いくらなんでも、その夜の散財は「せいぜい2万ドル程度」に過ぎないはずだ、とCEOは反論しているそうだ。そういえば、ミズーリー州の別名は“ショウ・ミー”ステートというんだよね、関係ないけど。

 産業界に詳しい友人の話によると、グローバルITユーティリティ・サービスプロバイダと自らを位置づけるサビスは、今回の騒動がthesmokinggun.comに掲載されて世間の注目が集まると、マコーミックを無給の休暇扱いとし、社長権COOのジョン・フィンレーソンを代理のCEOに就任させた。同社の株価は一株60セントと低迷しているが、おそらく経理部門は長い間、マコーミックの桁違いの接待費をフリーパスにしていたんだろうね。

 まぁ、それにしても、1回の支払いに5パーセントの手数料を取るアメックスのことだ。この手のホラー話、探せばいろいろ出てくるかもしれない。

 電話が鳴ったので、吾輩は口に放り込んだばかりのキャンディコーンをあわてて飲み下した。「Flockの襲来を知っているか?」と受話器の向こうから聞いてきたのは、いつもの友人だった。「鳥インフルエンザの新種だな」と応えると、友人は吾輩の笑えないジョークを無視して、「新しいFirefoxライクなブラウザのことだ」と教えてくれた。Flockの開発者たちは、さまざまな形でMozillaプロジェクトに関与した人々らしい。新しいブラウザは、Mozillaプラットフォーム上に構築され、ブログやFlickr、del.icio.usなどと統合されているという。

 友人はまた、グーグル関連で今週最も注目を集めた話題は、Google Baseだろうと指摘した。テストサイトをチェックしてみると、どうやらeBayやCraigslistと真正面から競合するオンライン案内広告サービスのようだね。一方、吾輩は友人に、Minix 3について新しい情報がないか聞いてみた。Minixは、リーナス・トーバルズがLinuxの開発中にインスピレーションを得たといわれるOSだ。友人によると、Minixのサードリリースは、児童学習用として全世界に配布されることを目指してMITが開発する100ドル・ラップトップ・コンピュータをターゲットにしているらしい。

 友人は電話を切る前に、「ハロウィンをもっと楽しみたいなら、ぜひともwww.google-kai.comをチェックしてみたまえ」と薦めてくれた。さっそくアクセスしてみると……、驚いたね。カイ夫妻が新しく生まれた自分たちのベビーに、「グーグル(Google)」という名前を付けたというのだ。うーむ。将来、グーグルちゃんが校庭で受難の日々を送らないことを祈るばかりだ。

*Spencer F. Kattのコラムは毎週月曜日(月曜日休日の場合は火曜日)の更新予定です

[英文記事]
Scares and Scores

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