ディペンダビリティ

dependability


 信頼性(reliability)、保全性(maintainability)、可用性(availability)などを総合した広義の信頼性のこと。数値尺度として厳密に定義することが困難な利用可能性を含めた包括概念である。

 信頼性工学の分野では、狭義の信頼性に保全性を加えた能力として説明している。JIS Z 8115:2000では、「アベイラビリティ性能及びこれに影響を与える要因。すなわち信頼性性能、保全性能及び保全支援能力を記述のために用いられる包括的な用語」と定義し、その備考で「非定量的用語として一般的記述に限り用いられる」と述べている。

 もともとはフォールトトレランス研究の分野で、ジャン−クロード・ラプリエ(Jean-Claude Laprie)が使った言葉である。“信頼できるコンピュータ・システム”を考えるとき、それを阻害する要因として、確率として定量的に扱うことができる故障(failures)のほか、ソフトウェアのバグや人間の操作ミス、悪意のあるデータ改変といったエラー(errors)や障害要因(fault)がある。エラーは認識的問題であって定量化できないため、確率的な意味を持つ「reliability」ではそぐわないと考えたラプリエは、非定量的な要因を含む一般的な意味で“信頼できる”という特性を示す言葉として“頼りがいのある”“約束を守る”という意味の「dependability」を採用した。彼は「コンピュータ・システムのディペンダビリティとは、実行されたサービスががどの程度正しく行われているかを明らかにするためのクオリティを示すもの」と説明している。

 なお、英語の「reliability」には“信頼できる”という特性とその尺度の両方の意味があるが、日本語ではそれぞれ「信頼性」「信頼度」という用語で識別される。

参考文献

  • 『Dependable Computing and Fault Tolerance: Concepts and Terminology』 Jean-Claude Laprie=著/Proc. of Fault-Tolerant Computing Symp.(15)/1985年
  • 『コンピュータシステムの高信頼化技術入門――フォールトトレラントシステムの基礎』 向殿政男=編/当麻喜弘=監修/日本規格協会/1988年3月
  • 『フォールト・トレラント・コンピューティング』 向殿政男、秋田雄志=著/丸善/1989年9月
  • 『フォールトトレラントコンピュータ』 南谷崇=著/オーム社/1991年2月
  • 『品質保証のための信頼性入門』 真壁肇、鈴木和幸、益田昭彦=著/日科技連出版社/2002年3月
 
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