Linux Square
第6回 読者調査結果発表

〜 Linux開発環境/APサーバに求めているものとは? 〜

小柴豊
@IT マーケティングサービス担当
2002/4/5

 最近では、IDEツールや商用アプリケーションサーバなど、Linux上のソフトウェア開発/実行環境をめぐってさまざまな製品が登場している。では、こうした製品は実際の開発現場でどの程度利用されているのだろうか? 本稿では、Linux Squareが実施した第6回読者調査からその現状を紹介する。

開発言語:Linux上でもJavaによる開発が増加傾向

 まずは、Linux上でどのような開発言語が利用されているか確認してみよう。この話題については、2000年10月に実施した第2回読者調査でも聞いているので、この1年半の間にどのような変化があったかを表してみた(図1)。2000年の段階では、PerlやPHPといったスクリプト言語が主流を占めていたが、今回の調査ではC/C++やJavaの利用率が増加している点が注目される。特に、Javaの利用率はほぼPerlと並ぶところまできており、サーバサイドJava普及とともに、今後Linux上での主な開発言語となる日も近いと思われる。

図1 Linux上での開発言語使用状況/時系列比較(複数回答)

開発ツール:エディタ中心なれど、GUIツールへの潜在需要は大

 続いて、Linux上で稼働する開発ツールの利用状況を見てみよう(図2)。まず読者が現在使っているツールを聞いたところ、「エディタ+JDK」などキャラクタベースのツール利用者が圧倒的であり、ビジュアル開発/IDE系ツールでは辛うじて「JBuilder」利用者が全体の1割を超えるにとどまった。一方、「今後使いたい/興味があるツール」として同じ項目から選択してもらった結果では、ボーランドのKylixやJBuilderを挙げる読者が多く、Linuxビジュアル開発ツールへの潜在需要の高さを示している。

図2 Linux開発ツール使用状況(複数回答 N=507)

Linux開発環境トレンド:Zend StudioとC++ Builderに期待

図3 Linux開発トピックへの興味(複数回答 N=507)

 上記ツール以外にも、Linux開発環境の充実に向け、現在さまざまなプロジェクトが進行している。それらのうち、今回4つのトピックについて読者の興味度を聞いた結果が図3だ。現段階で比較的興味が高かったのは「Zend Studio」(PHPアプリケーションのための統合開発環境)および「C++ Builder」(Borland C++ BuilderのLinux版)の2つだ。PHPやC++は、図1で見たとおりLinux開発者にもなじみの言語となっていることから、これらのツールによって開発生産性の向上を期待する読者が多いと思われる。

 また、「Monoプロジェクト」(Microsoft.NET環境のLinuxへの移植)や「Eclipseプロジェクト」(オープンソースの開発ツールプラットフォーム)についても、まだ情報が少ない割に30%前後のポイントを獲得しており、今後の進行状況によってはより多くの読者の注目を集めるだろう。

Linux開発環境の課題:疎外感とディストリビューション間互換性

 では、Linux上で開発を進める際、現在何が問題になっているのだろうか? 読者が感じている課題や不安を聞いた結果、「Linux開発者や理解できる人が周りに少ない」および「ディストリビューション間のアプリケーション互換性」の2点が上位に挙げられた(図4)。前者については、取りあえず現場の疎外をネットワークで補うスタイルが有効だろう。Linux Squareでも、コンテンツ以外にオンライン会議室を設けているので、仕事で行き詰まったときなどにはぜひご活用いただきたい。

 後者については、「ディストリビューションによって設定ファイルの場所が違ったりしてRPMやdebを使う気にならない」とのコメントも寄せられた。現在、オープンソース技術の標準化団体Free Standards Groupにより、アプリケーション互換性を保つための開発ガイドライン「Linux Standard Base」(LSB)の策定が行われている。ディストリビューションの多様性を生かしつつ、ソフトウェア開発/実行環境の標準化が進められることを期待したい。

図4 Linux開発環境の課題(複数回答 N=507)

Linux APサーバ利用状況:Tomcatは唯一無比の存在?

 次にWebアプリケーション時代のソフトウェア開発のかなめ、アプリケーションサーバ(以下APサーバ)の利用状況を見てみよう。

 読者がLinux上で現在利用している/今後利用したいAPサーバ製品について、商用/オープンソースを問わず聞いた結果が図5だ。現在の利用率では、オープンソースの「Tomcat」が独り勝ちといえるほどのシェアを占めている。商用製品で現在目立ったシェアを持つものはまだないが、今後の利用意向では「IBM WebSphere Application Server」および「Oracle 9i AS」の2製品がTomcatと並ぶポイントを得ている。IBMとOracleは、商用APサーバベンダの中でもLinuxに強いコミットを表明しているが、その姿勢が反映されたような結果となった。

図5 Linux APサーバ使用状況(複数回答 N=507)

Linux APサーバ選択重視点:サポート力がカギに

 最後に、Linux APサーバを選択する際、読者が重視する要素について見ておこう。図6を見ると、現在のTomcatの強さは「オープンソースである」「Servlet/JSP環境の機能・性能」といった上位要素を兼ね備えている点にあることが分かる。ただし、最も支持を集めた「各種ドキュメントや技術サポートの充実度」については、オープンソース製品が満たし切れない領域ではないだろうか。

 今後商用APサーバが普及するためには、機能の高度化を競うだけではなく、こうしたサポート価値を高める必要がありそうだ。

図6 Linux APサーバ選択時の重視点(複数回答 N=507)

調査概要

調査概要
調査方法
Linux SquareサイトからリンクしたWebアンケート
調査期間
2002年2月18日〜3月17日
有効回答数
507件

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