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次世代CD-RWの標準規格「Mt Rainier」

元麻布春男
2001/10/23

 書き換え型DVDの規格が乱立し、話題を集めているものの、実際にPCに標準で搭載されたり、量販店での売れ行きがよかったりするのは、相変わらずCD-R/RWドライブだ。もはや記録メディアとして、フロッピーディスクよりもCD-RやCD-RWの方が一般的といってもいいくらいになっている。このようにCD-R/RWドライブが普及した背景には、データがもはやフロッピーディスク1枚には入りきらなくなってしまったことや、CD-RやCD-RWのメディアが安価になり気楽に記録して、他人に手渡せるようになったことが挙げられる。しかし、CD-RやCD-RWのデータの書き込みには、専用のライティング・ソフトウェアが必要だったり、CD-RWではメディアのフォーマットに時間がかかったり、と決して使いやすいわけではない。

 そこで、フロッピーディスクやMOなどのリムーバブル・メディアと同等の使い勝手をCD-RWに提供しようと規格化が行われているのが、「Mount Rainier(Mt Rainier)」である。「CD-MRW」とも呼ばれ、Philipsに加え、Compaq Computer、Microsoft、ソニーの4社がコア・メンバとして、ほかの多くの賛同メーカーが推進している。

 MOディスクやフロッピーディスクのように、Windowsのエクスプローラからドラッグ&ドロップでCD-RWにデータを書き込むためには、現時点では、パケットライトをサポートしたサードパーティ製ソフトウェア(パケットライティング・ソフトウェア)を利用する必要がある(Windows XPではOSがラインティグ機能を標準で装備する)。しかし、この方式はOSが標準でサポートしているわけでないので、書き込みにサードパーティ製ソフトウェアが必要なだけでなく、読み出すためにも専用のリーダ・ソフトウェアが必要になる。また、市販のメディアをパケットライティング・ソフトウェアで利用するには、事前にフォーマット作業を行わなければならず、買ってすぐに使えるというわけでもない。こうした問題を解決するのがMt Rainierの最大の目的である。

 Mt Rainierでは、ハードウェア(ドライブ)によるデフェクト(不良セクタ)管理、セクタ・サイズの2Kbytes固定化、コマンド・セットの統一を行い、OSによる標準サポートを実現する。従来のパケットライトでは、パケットライティング・ソフトウェアが不良セクタの管理や、OSから渡される2Kbytes単位のデータを64Kbytesの固定長パケットにまとめて書き込む、といった処理を行っている。こうした処理をハードウェア側に移すことで、OSによるサポートを容易にしている。また、ドライブごとに微妙に異なるコマンド・セットに、ライティング・ソフトウェアが個別対応している現状を改め、Mt RainierではMMC-2(マルチメディア系データを扱うための標準コマンド・セット)を拡張した統一コマンド・セットを採用し、OSの対応を簡略化している。加えて、メディアのフォーマット作業を、ハードウェアによるオンデマンドのバックグラウンド処理とすることで、ユーザーは購入したメディアをドライブに入れるだけですぐに使えるようになる。

ヤマハのCRW3200
世界初のMt Rainier対応CD-R/RWドライブ。高音質記録モード「Audio Master」を搭載するなどの特徴を持つ。

 こうしたMt Rainier仕様CD-RWドライブのサポートは、Windows XPの次バージョン以降のOSで標準化される予定である。しかし、Mt Rainier仕様をサポートしないOSに対しても、別途ソフトウェア(ブリッジ・アプリケーションと呼ばれる)を提供することで、同仕様ドライブや、同仕様によりフォーマットされたメディアの利用が可能になるとされている。

 同仕様に準拠したドライブは、ファームウェアの大幅な書き換えが必要なものの、ハードウェアそのものの変更が少ないため、当初は2001年前半にも登場するといわれていた。しかし予定が若干遅れ、9月にヤマハから初のMt Rainier対応製品の「CRW3200」が発表された(ヤマハの「CRW3200に関するニュースリリース」)。CRW3200は、2001年11月出荷開始となるが、その時点ではブリッジ・アプリケーションの提供は行われないようだ。

 現時点では、Mt Rainier仕様は、CD-RWドライブおよびメディアのみをターゲットとしているが、コア・メンバにPhilipsとソニーが含まれていることから考えて、両者が推すDVD+RW規格との関連性も考えられるところだ。実際、DVD+RWの仕様は、Mt RainierをDVD対応したようなものとなっている。今後、Mt Rainierに対応したDVD+RWドライブが提供される可能性も十分に考えられる。記事の終わり

  関連リンク 
Mt Rainierの規格
CRW3200に関するニュースリリース
 
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