Visual Basicプログラマ向けの月刊誌である「Visual Basicマガジン」の別冊として発刊されたWindows 2000情報ムック。Visual Basicプログラマ向けに、既存のVBアプリケーションをWindows 2000に対応させる方法や、Windows 2000で新たに追加された機能をVBアプリケーション（VBスクリプト）から利用する方法などをコード例なども交えながら具体的に解説している。表紙を一見しただけでは、初心者向けの本のようにも見えるが、完全なプログラマ向け情報ムックとして仕上がっている。最初のセクションでは、「Windows 2000時代のオブジェクトプログラミング」、「COM+への基礎知識」、「Windows 2000とXMLの親密な関係」などWindows 2000テクノロジの全体を概観し、続いて「アプリケーション移行のポイント」と題する個別具体的なWindows 2000対応への指針やWindows 2000ロゴの取得方法など、既存環境からWindows 2000への移行を解説し、最後のセクションでは、IIS 5.0プログラミング、Active Directoryの拡張プログラミング・インターフェイスであるADSI（Active Directory Service Interface）の使い方、プログラマの視点から見たWindows Installerのしくみと使い方、Windows 2000のDOM（Data Object Model）／DSO（Data Source Object）を使用したXMLプログラミングなど、プログラミングのための実践的な情報やコード例などを解説している。本書は、すでにVBを活用してアプリケーションを開発しているプログラマはもちろん、これからVBプログラミングに足を踏み入れようとしている人にとっても役立つだろう。特に巻頭の「Windows 2000時代のオブジェクトプログラミング」では、オブジェクト指向プログラミングについて分かりやすく説明されていて、COMやActiveXの知識を整理することができる。なお、Windows 2000 Professionalの120日間体験版やDeveloper's Readiness Kit（開発者向けのドキュメントなどをまとめたもの）、本書で紹介しているサンプル・コードなどを収録したCD-ROMが添付されている。

「Book Review」