[運用]
ファイル・サーバのデフラグメントについて考える

4.PerfectDiskによるデフラグの実践(2)

井上 孝司
2008/07/23

オフライン・デフラグ機能
  前述したように、Windowsが使用するシステム・ファイルの中には、使用中でロックがかかっているためにデフラグの対象にできないものが少なからず存在する。こうしたファイルを再配置するには、ロックがかかっていない状態でデフラグを行わなければならない。

 そこで登場するのがオフライン・デフラグ機能だ。PerfectDiskではシステム・ファイルのデフラグを指示すると、再起動後にデフラグを行うかどうかを尋ねてくるようになっている。デフラグ作業はWindowsが完全に起動する前の状態で行うため、ロックはかかっていない。その代わり、オフライン・デフラグを行うにはサーバの再起動が必要になり、かつデフラグ作業中はサーバを利用できなくなる。

 そのため、オフライン・デフラグはスケジュール機能と組み合わせて、休みの日の夜間など、サーバを誰も使用していないのが確実なタイミングで実行しなければならない。PerfectDiskのスケジュール機能では、スケジュール登録の際にシステム・ファイルのオフライン・デフラグを行うかどうかを設定できるので、こうした使い方を容易に実現できる。

 なお、オフライン・デフラグの対象になるのは、オフライン状態でなければデフラグできないシステム・ファイルに限られる。そのため、オフライン・デフラグだけで完全な最適化を実現することはできず、オフラインとオンラインを併用する必要がある点に留意したい。

 デフラグを行う最適な頻度は利用状況によっても違ってくるが、通常は月に1回程度(例えば、セキュリティ・パッチの適用時など)、サーバの定期メンテナンスのようなタイミングに合わせてデフラグを行う程度でよいと考えられる。PerfectDiskの場合、常駐して断片化の状況を監視しておき、システム・アイドル時に自動的に最適化を行うステルス・パトロール機能を使うことができる。この機能を利用すれば、極端な断片化の進展を抑えられるので、オフライン・デフラグまで必要とするような完全なデフラグを必要とする頻度を少なくできる。

PerfectDiskのスケジュール登録におけるデフラグ方法の選択画面
スケジュール登録するタスクでは、単にデフラグを行うというだけでなく、システム・ファイルのオフライン・デフラグも指示できる。もちろん、オフライン・デフラグを実行する際にはシステムの再起動が必要になるが、スケジュール設定によって業務を行っていない日時を指定することで、サーバ停止による影響を回避できる。

Exchange ServerやVMwareへの対応
  サーバ版・クライアント版と製品が分かれているのは、基本的には対応OSの違いであり、使用しているテクノロジや動作は同じになっている。ただし、特定のサーバ製品に特化した付加機能を持つ製品がラインアップされている点も、サーバ版の特徴になっている。

 例えばExchange Server版はExchange Serverが使うファイルの中身だけを圧縮する機能が加わっている。これにより、Exchange Serverを稼働させたままで、Exchange Serverが使用するファイルを安全に最適化できる。

 また、VMware ServerとVMware Workstationに対応したVMware版もある。ホストOS側にインストールしたうえで、仮想ディスクを単一のディスクとしてマウントし、その内容だけをデフラグする仕組みだ。これは付加機能なので、ホストOS側で通常のデフラグを行う機能も利用できる。

 仮想マシンは読み書きが多いので、断片化しやすい傾向がある。仮想マシンが動作していないときにホストOSから最適化を行う方法でも仮想ディスクの再配置は可能だが、それはあくまでホストOSから見たときの最適化であって、仮想マシンで動作するゲストOSから見て最適な配置になっているとは限らない。そのため、仮想マシンの仮想ディスクだけを最適化する機能を別に用意しているというわけだ。

そのほかの機能
  Windowsサーバでは、シャドウ・コピー機能を使ってスナップショットを作成しているが、PerfectDiskはこの機能にも対応している。前述のようにディスクのクラスタ・サイズが16Kbytes未満の場合にシャドウ・コピーが存在していると、デフラグによってファイルが書き換えられたと見なされてしまい、結果としてスナップショットの対象となるファイルが増えてしまう。そのため、PerfectDiskではクラスタ・サイズが16Kbytes未満でシャドウ・コピーが存在している場合は、デフラグを実行しないように設定できる(設定により、デフラグを実行させることも可能)。

 また、CPUの優先度やディスクI/Oの負荷軽減も設定可能だ。これらはサーバが稼働中にデフラグを行う場面では不可避となる、デフラグに起因するサーバのパフォーマンス低下を抑制するための機能だ。もちろん、業務を行っていないアイドル時間にデフラグを行うのが最善だが、業務形態によってはどうしても、稼働中にデフラグを行わなければならない場面も考えられる。そうした場面では、このような負荷軽減機能が役に立つ。

PerfectDiskのオプション設定画面
VSS互換モードのオン/オフ(既定値ではオン)に加えて、CPUの優先度やディスクI/Oの負荷を低減する設定を行える。サーバの運用中にデフラグを行う場合に、デフラグによる性能低下が発生する事態をできるだけ抑えるための機能だ。

 また、ユーザーが指定した特定のファイルだけをデフラグする機能もある。分析時のレポート機能では、フォルダ単位で断片化の度合いを確認できるが、特にその中でも急を要すると判断したファイルについてのみ、取り急ぎデフラグしたいという場面で役に立つだろう。

 このほか、Active Directoryを構築していれば、グループ・ポリシーを使った制御も可能だ。これは管理用テンプレートを追加して実現するもので、複数のサーバにPerfectDiskをインストールしているような場面で、ポリシー設定によって集中管理する際に使用する。Active Directoryを使用していないときには、独自に用意している管理ツール「PerfectDisk Command Center」を使うと、ソフトウェア配布やスケジュール設定、動作のモニタリング、レポートといった集中管理機能を利用できる。

まとめ

 単にデフラグを行うだけなら、Windows標準のデフラグメンタでも、それなりの有用性を備えている。しかし、サーバ、とりわけファイル・サーバでは、クライアントPCと比較すると断片化が発生しやすく、しかも断片化の影響が大きい。また、メンテナンスによるサービス停止の影響も大きい。これまでご紹介してきたように、サードパーティ製のデフラグメンタを利用すれば、より柔軟かつ効率的なデフラグ処理を実施できる。

 特に、充実したスケジュール機能を活用して、さらにオフライン・デフラグ機能を組み合わせることで、最小の手間で最大の成果を挙げることができる点を評価したい。自動的に処理できる作業はできるだけ自動化することが、サーバ管理者の負荷を減らす秘けつといえるからだ。End of Article

 

 INDEX
  [運用]ファイル・サーバのデフラグメントについて考える
  ツールを活用したファイル・サーバの自動デフラグ
    1.デフラグの基礎知識
    2.サーバ向けデフラグメンタの選択ポイントとは
    3.PerfectDiskによるデフラグの実践(1)
  4.PerfectDiskによるデフラグの実践(2)

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