BEA強し、23四半期連続増収

2001/8/17

 J2EE準拠アプリケーション・サーバのベンダ、米BEAシステムズは現地時間8月14日、2001年度第2四半期の決算を発表した。売上高は23四半期連続で増収を更新し、2億6780万ドルに達した。

 同社が発表したところによると、2001年7月31日に終了した2001年度第2四半期の売上高は2億6780万ドルで、前年同期比44%増となった。純利益は1億8600万ドル。アナリストなどの観測筋から事前に予想されていた同社の売上高は2億7860万ドル程度だった。

 前四半期まで22四半期連続で成長を続けてきた同社だが、今四半期は、このところの米国全体の景気低迷の影響が心配されていた。連続増収記録は塗り替えたものの、2001年度後半の業績予測に関しては、マクロ経済や企業のIT投資に関する予測を加味し、下方修正を行ったという。

 同社の創業者、会長兼CEO ビル・コールマン(Bill Coleman)氏は、「このところの厳しい環境にもかかわらず、財務的、ビジネス的目標をクリアしたわれわれのチームプレーを誇りに思う」とコメントしている。次の四半期については、「Javaの市場拡大を見込む」とし、先日業務提携した米インテルとともに、中小規模システム向けに低価格のJava製品を投入するなどの具体策を挙げている。

 1995年創業の同社のこれまでの成長要因は、J2EEのアプリケーション・サーバの普及があった。これまで、市場でのJava技術の受け入れを追い風に、急速に知名度を上げてきた。最新バージョンの「WebLogic 6.1」では、技術的にはある程度の成熟点に達したといえる。今後は、競合するIBMら大手ベンダを相手に、Webサービス機能などの“アプリケーション・サーバを土台として何ができるのか”のところで戦っていかねばならない。そういう意味から、同社は現在、曲がり角にさしかかっているといえよう。それは、企業が売上高の成長ばかりを誇示するベンチャーから、技術力、開発力、マーケティング力を持つ安定した企業になるためには避けて通れない過程なのだ。

(編集局 末岡洋子)

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BEAシステムズの発表資料(英語)

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