ウィンテルに対しビクトリーを狙うサンのVシリーズ

2001/11/7

「Sun Fire V880」 Vは勝利を意味する“Victory”を表す

 サン・マイクロシステムズは11月6日、ローエンド向けサーバの新製品「Sun Fire V880 Server(以下、V880)」を発表した。「Sun Enterprise 450」の後継機に位置づけられる同製品では、スケーラビリティなどの機能強化を図るとともに価格を下げ、IntelチップとWindows OSの組み合わせである“ウィンテル(Win-tel)”PCサーバとの激戦に対抗する。

 新製品は、最大8基の750MHz UltraSPARC IIIプロセッサが搭載可能で、メモリは最大32GB、FC-ALディスクは最大12個(873GB)搭載できる。システム帯域幅は9.6Gbps。特徴は、リニアなスケーラビリティ、価格性能比、ISVサポート、RAS機能。特に、スケーラビリティでは、CPU数に応じ、パフォーマンスを劣化させることなくシステム拡張を実現。「小型サーバ分野で高性能なシステムを求める声にこたえる」と同社 取締役 製品事業統括本部長 細井洋一氏。製品は、アプリケーションを支える、システムの第2階層での使用を前提に設計されているが、前モデルのE450同様、システムに応じた幅広い使用形態が可能という。「サンのサーバ群でV880は中間に位置しており、まさに“ヘソ”的存在」(細井氏)。また、「Solaris Resource Manager」を利用し、複数台のPCサーバを新製品1台に統合する、サーバ統合にも適しているという。

 ローエンド・サーバ市場は、64ビットのItaniumプロセッサとWindows 2000の組み合わせのウィンテル機が市場を変えると予想されている、まさに激戦市場。同社は昨年度、この市場での売り上げを70%伸ばしたというが、「放っておくとWintelにやられてしまう(笑)」と同社代表取締役社長 菅原敏明氏。エンタープライズ市場での長い経験を生かした技術と、さらに戦略的価格で「市場に選択肢を与える」と菅原社長は言う。

 来日した米サン Sr. Director of Volume System Products ジョン・デービス(John Davis)氏は、さらにウィンテルとの比較を行い、「64ビットアーキテクチャは、サンでは第3世代。(Itaiumで第1世代となる)ウィンテルとは違う」(デービス氏)とした。デービス氏はこのほか、約4倍のシステム帯域幅(V880は9.6Gbps、ウィンテルマシンは2.4Gbps)、約4〜16倍のCPU外部キャッシュ(V880は8MB、ウィンテルマシンは0.5MB)などを示した。だが、同氏が協調したのは、マシンのスペックよりもOS、Solarisだったかもしれない。「広範なISVサポート、64ビット第3世代、成熟したセキュリティ、システムマネジメント……」とSolarisの堅牢性をアピールし、「Windows 2000はエンタープライズ市場に入りきれていない」とした。

 同製品の価格は548万円から。アップグレード下取りプログラムも提供される。出荷は11月下旬の予定。

(編集局 末岡洋子)

[関連リンク]
サンの発表資料

[関連記事]
サーバ市場のキーワードはLinux、アプライアンス、SIAS (@ITNews)
アプライアンス・サーバで「シェア6割を狙う」とMS(@ITNews)
Linuxは70%で成長、4年後に25%のシェアとIDCが予測 (@ITNews)
特集 : Itaniumの登場でハイエンド・サーバ市場が変わる? (PC Insider)
メインフレーム並と胸を張るSun Fireのテクノロジ (@ITNews)
好調な国内サーバ市場、PCサーバはNEC、UNIXはサン (@ITNews)

 

情報をお寄せください:



@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)