三菱、市場活性化をにらみERP事業を拡大

2002/7/10

 三菱電機は7月9日、保守・サービス業向けにSAP R/3およびSAP CRM向けテンプレートを10月1日から発売すると発表した。

 同社が新たに発売する製品は、「MELEBUS(メリーバス)-Field Service」。定期保守、修理・フィールドサービス業務、返品修理など、6つの業務シナリオを用意し、保守・サービス業へSAPシステムの短期導入を支援するテンプレートだ。

 MELEBUS-Field Serviceは、SAP R/3とSAP CRMを同時に導入する場合に対応し、SAP R/3では販売管理、在庫/購買管理、財務管理、管理会計、SAP CRMではインタラクションセンター(コールセンター)、およびサービス(契約管理、リソース計画、サービス確認など)の適用機能を提供する。

 三菱電機は、従来から「MELEBUS」の名称でSAP R/3向けのテンプレートをリリースしていたが、組み立て加工・製造業向けのものに限られていた。今回対象分野を拡大し、従来の製造業向けテンプレートを「MELEBUS-mfg.」と名称変更し、新たに発表した保守・サービス業向けテンプレート「MELEBUS-Field Service」と併せ、MELEBUSシリーズとする。今後、他業種別テンプレートもリリースする予定。

 製造・販売は、三菱電機本体から分社した三菱電機インフォメーションシステムズが担当し、MELEBUS-Field Serviceで本年度3セット1億円、R/3導入事業で75億円の売り上げを見込む。

 三菱インフォメーションシステムズ 第二事業本部 製造・サービスシステム営業部 部長 渡辺哲朗氏は、ERP市場について、「ERPを導入したいが資金がないという企業の多かった昨年末と比較すると、案件は具体性があるものが増えている」と語っている。今回の拡大も、活性化しつつある市場動向を受けてのものという。また、会見の席でSAPのCRM ビジネス・デベロップメント ディレクター 三村真宗氏は、「製造業のサービス業務改善ニーズは高い」としながらも、「会計や人事に比べて、サービス業務のシステム化をパッケージで実現するという発想は少し希薄、という感覚があるが、今回の製品が起爆剤になれば」と期待を述べた。

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三菱電機インフォメーションシステムズ

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