Yukonに期待、HPとMSが64ビットDBの共同検証を開始

2004/4/6

マイクロソフトのサーバープラットフォーム ビジネス本部 シニアプロダクトマネージャ 深瀬正人氏

 日本ヒューレット・パッカードとマイクロソフトは4月5日、ハイエンドの企業向け64ビットDB市場に向けた取り組みの強化で協業プロジェクトを走らせることに合意した。その一環として国内の大規模DBユーザーを想定した共同検証プロジェクトを開始する。検証対象は、「HP Integrity サーバ Superdome」と「Microsoft SQL Server 2005」(コードネーム:Yukon)の組み合わせによるミッションクリティカル・システム。今回の共同検証プロジェクトは、2003年8月に両社が交わした、ミッションクリティカル・システムの分野における協業の関係を強化したものである。

 マイクロソフトのサーバープラットフォーム ビジネス本部 シニアプロダクトマネージャ 深瀬正人氏によるとMicrosoft SQL Server 2005のリリース時期は、2005年第1四半期だということで、両社の共同検証プロジェクトは、Microsoft SQL Server 2005のリリース時まで続くことになる。「大規模な投資を必要とするミッションクリティカル・システムの場合、製品のロードマップや次期バージョンの機能の詳細に関して、顧客企業はかなり敏感になる」と日本HPエンタープライズ・システム事業統括 エンタープライズストレージ・サーバ統轄本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部 本部長 榎本敏之氏はいう。現時点からチューニング作業に着手し、リリース時にスムーズな提案活動(営業活動)を展開する、というのが両社の思惑である。また、これまで中小規模企業への導入が主だったSQL Serverをエンタープライズ市場に普及させていきたいマイクロソフトと、64ビットIA環境の販売促進を望む日本HPの目的が交差した結果ともいえる。

 検証作業は「基本検証」「ソリューション検証」「性能検証」の3段階を予定している。

 基本検証は、大規模DBユーザーを想定した機能検証が中心で、マイクロソフトの調布技術センターに設置した環境を使って行う。ソリューション検証は、日本で導入を検討している顧客のシステムに近い環境をベースに、コンフィギュレーション検証を行う。性能検証では、障害時のフェイルオーバー、バックアップ、復旧といった実践的な構築方法の検証を行う。ソリューション検証のようなシナリオベースの共同検証作業は日本独自の作業であり、米国では機能検証にとどまっている。

 なお、この共同検証にはマイクロソフトと日本HPから5人ずつが参加する。

(編集局 谷古宇浩司)

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