PCに保存したデータは盗まれても仕方がない?

2004/8/6

 シトリックス・システムズ・ジャパンは、同社のリモートデスクトップソフトウェアについて「情報漏洩対策のソリューション」という新たな位置付けを今後強調し、市場にアピールしていく。同社の代表取締役社長 田中正利氏は「いままでシトリックスは、どちらかというと顧客のIT予算の中でも保守運用系を改善するための予算で購入されてきた。これからはセキュリティ分野の新規投資予算でも購入してもらえるようにしたい」と、同社製品の新たなポジショニングへの期待を表した。

シトリックス・システムズ・ジャパン 代表取締役社長 田中正利氏は、「ワールドワイドではアジア太平洋地域が特に伸びている」と発言

 マーケティング本部 プロダクトマーケティング統括マネージャー 竹内裕治氏は、「PCに入れて持ち歩いている情報資産は、盗まれても仕方がない」と、通常の使い方では顧客情報などの重要な情報がノートPCなどに保存されている現状について警告した上で、シトリックスの製品群のソリューションを示した。同社の「Citrix MetaFrame Access Suite」製品群を利用することで、重要な情報はサーバにだけ保存。クライアントPCからは、サーバ上で実行されるワードやエクセル、データベースやそのほかのアプリケーションの実行画面だけが表示され、キーボードやマウスでアプリケーションを操作するため、クライアントPCに重要データを保存する必要がない。

 同社は以前から、アプリケーションのリモート操作を実現する同社の製品群について、「データやアプリケーションの集中管理」といった運用コストの優位性を訴えていた。最近になって通信を暗号化する「Citrix MetaFrame Secure Access Manager」や、シングルログインを実現する「Ctrix MetaFrame Password Manager」などのセキュリティ向上のための製品群が揃ってきた。

 さらに最新バージョンでは、画面上に表示されたデータのコピーをできなくしたり、場所やユーザーによって制限事項などを割り当てる「ポリシーの拡張」機能の強化も行われ、きめ細かい設定が容易になった。

 同社では、MetaFrame Access Suiteを企業セキュリティのインフラとして採用を呼びかけ、パートナーと一緒にソリューションを展開していきたいとした。

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シトリックス・システムズ・ジャパン

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