SSL VPN強化で社外のモバイルPCの情報を守る、ノキア

2004/11/11

米ノキア エンタープライズソリューション プロダクトマーケティング・マネージャのジョン・ユン氏

 ノキア・ジャパンは、同社のSSL VPNアプライアンス製品群(「Nokia IPシリーズ」など)に搭載しているソフトウェア「ノキア Secure Access System」を「ノキア Secure Access System 3.0」(以下、NSAS 3.0)にバージョンアップした。

 NSAS 3.0の最大の特徴は、NSAS 3.0で新たに「セキュア・コネクター」機能を搭載したことにより、SSL VPNを利用してリモートアクセスした場合のセキュリティ機能を向上させたこと。

 これまで、SSL VPNなどにより、リモートアクセス時のセキュリティを向上させても、クライアントPCの紛失、盗難などにより、クライアントPCに保存したデータなど企業の機密情報が漏れる危険性があった。 

 セキュア・コネクターは、リモートアクセス時にサーバからダウンロードするデータを暗号化できる。SSL VPNを利用してサーバにアクセスしている間は、サーバからダウンロードするデータは、クライアント側にあらかじめ自動的に作成され、暗号化された格納領域の「仮想ドライブ」に保存される。リモートセッションを切断すると、仮想ドライブ内のデータはユーザーから見えず、アクセスもできなくなる。つまり仮想ドライブにダウンロードされたデータの利用は、リモートセッションが有効な間だけに限定される。

 ノキア エンタープライズソリューション プロダクトマーケティング・マネージャのジョン・ユン(John Yun)氏は、「顧客情報などの機密情報を社外で扱う際には、セキュア・コネクターによるデータの暗号化が重要」と語り、新機能の優位性を強調した。ユン氏は、「従来、困難であると考えられていた『アクセス機能とセキュリティ性の両立』の問題を解決させた」と延べ、NSAS 3.0が同社のSSL VPNアプライアンス製品の大きな武器になると自信を見せた。

 NSAS 3.0は、まず既存ユーザー向けに提供される。具体的には11月29日より、Web上からダウンロードできるようになる。NSAS 3.0を組み込んだNokia IPシリーズは、2005年1月に出荷の予定だ。

(編集局 富嶋典子)

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ノキア・ジャパンの発表資料

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