[eWEEK]
オラクルのピープル買収で大きな影響を受ける人々

2005/1/8
by Renee Boucher Ferguson

 オラクルによるピープルソフトの買収が最終段階を迎えているが、ERP(Enterprise Resource Planning)アプリケーションのアドオン販売を業務とするサードパーティのデベロッパ各社は、自社業務内容の大幅な転換に備えている。

 ピープルソフトの顧客でユーザーコミュニティの大半を構成するNewmerixやAnteo Groupなどのソフトウェアプロバイダは、移行、開発、テスト、および再教育など、さまざまな分野における新たなチャンスへとつながる巨大な波及効果を見込んでいる。しかし、これらのチャンスには代償が伴う。多くの企業にとっては、オラクルのソフトウェアや技術スタックに合わせた自社製品の方向転換を意味するからだ。

 Newmerixの共同創業者兼CTO(最高技術責任者)、Niel Robertson氏は、「われわれは、オラクルへの対応に向け、できるだけ多くのリソースを可能な限り素早く投入している。ピープルソフトのインフラへの本格対応に向け、われわれはかなり多くの発見をした。これからは、オラクルに関する知識も積み重ねていくことになる。オラクルへの対応作業には早めに着手している」と語っている。

 ピープルソフト Partner Connection Programのソフトウェアパートナーで、コロラド州スペリオルに本社を置くNewmerixは、オラクルにも対応するよう自社のビジネスモデル拡張を進めている。ピープルソフトユーザーが最新のパッチやアップグレードを利用できるように支援する変更管理製品スイートを提供している同社は、今年前半に出荷を予定するオラクルベースのソリューションを開発している。Robertson氏によると、この新ソフトには、テスト自動化、コンプライアンス/プログラム管理、そしてアプリケーション変更管理を行うNewmerixの現行製品が含まれるという。

 そのほかのサードパーティベンダ各社はさらに高い関心を寄せている。ジョージア州アトランタに本社を置くAnteo GroupのCEO(最高経営責任者)、Dion DeLoof氏は「オラクルは、ピープルソフトほどサードパーティベンダ各社にアプリケーションのサポートを奨励していない。ピープルソフトはライセンスの売り上げによって利益を上げ、(世界中のAnteosのような会社が)アップグレード関連で利益を得ることにも満足してきた。だが、オラクルはこのビジネスを他社に渡したくないと考えている。この点が、われわれのこの先3年の非常に大きな課題になる」と語っている。

 自社の収益の約半分をピープルソフトのインプリメンテーションとアップグレードに依存するAnteoは、少なくとも6カ月前からピープルソフトの主要インプリメンテーションプロジェクトに携わっていない。DeLoof氏は、このようなビジネスの減速はユーザーがピープルソフトの将来を不透明に感じている結果だ、と推測している。

 DeLoof氏にとっては、今後のことに加え、オラクルがAnteoなどの各社と競合もしくは下回る価格帯でインプリメンテーションやアップグレードを提供してくるかどうかが最も重要になってくる。

 オラクルは、自社が有益だと判断したピープルソフトのパートナーを巻き込んだ強力なパートナープログラムを売り込んでいくことを明言している。

[英文記事]
Developers Prep for Oracle

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