アプリケーションからプラットフォームベンダへ、SAP

2005/10/7

SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション統括本部長 玉木一郎氏

 SAPジャパンは10月6日、ソフトウェアベンダ向け協業プログラムと、開発者支援の強化を行う戦略を発表した。パートナー企業との協業モデルを変化させ、SAPが提唱するビジネス主導のSOA「エンタープライズ・サービス・アーキテクチャ」(ESA)の日本市場での浸透を狙う。

 SAPジャパン バイスプレジデント ソリューション統括本部長 玉木一郎氏によると、ITにおけるプラットフォームのコンセプトは、その上でアプリケーションが稼働するOSやDBなどから、差別化されたビジネスプロセスを素早く実装できる環境、すなわちビジネスプロセスプラットフォームに変わってきているという。従来のSAPのアプリケーションを導入するパートナーとの協業モデルに加え、プラットフォーム(SAP NetWeaver)上にパートナーがアプリケーションを構築するという協業モデルの重要性が増してきている。「(SAPは)アプリケーションベンダではなく、プラットフォームベンダという立ち位置で、パートナーとの新しい関係を構築していく」(玉木氏)

 具体的には、既存のパートナー認定プログラム「Certified for SAP NetWeaver」に加え、10月からソフトウェアベンダ対象のプログラム「Powered by SAP NetWeaver」を開始する。これはその製品がSAPプラットフォーム上で稼働することを認定するもの。認定ベンダ、製品には「Powered by SAP NetWeaver」ブランドによる共同マーケティングや各種支援ツールが提供される。現在、日本でのパートナーは16社(34製品)だが、2006年末までに100社以上に拡大する予定。さらに「Powered by SAP NetWeaver」の上位に当たる認定プログラム「xApps」(クロスアプリケーション)も強化する。

 SAPは開発者支援プログラムとして、コミュニティサイト「SAP Developer Network」日本版を7月に開始している。登録者は無料でSAP製品の技術情報を取得し、評価版を体験できる。開発者同士で情報交換をすることもできる。国内の登録者は約3200人だが、2006年末には2万人に増えると見込んでいる。

(@IT 長谷川玲奈)

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