ウィルコム、料金据え置きで速度最大3倍

2005/1/28

 ウィルコムは1月27日、同社のデータ通信サービスで、料金を変えないまま、速度を最大2〜3倍に向上させる予定であることを発表した。2月より順次導入していく。

 今回の速度向上は3つの方式で実現する。

 1つは1Xパケット方式から2Xパケット方式への移行。最大32Kbpsで通信する1Xパケット方式のプランを利用中のユーザーが、追加料金なしで2X(最大64Kbps)に移行できるようにする。2Xへの移行には、4Xパケット方式以上に対応した通信機器が必要だが、ウィルコムは販売しているほとんどのデータ通信カードは4Xパケット方式以上に対応していると説明している。このサービスの開始時期はISPによって異なる。ウィルコムのインターネット接続サービス「PRIN」の利用ユーザー、あるいはウィルコムの音声電話機で接続しているユーザーは2月1日だが、そのほかのISPについては4月1日の予定。

 2つ目は同社が「W-OAM」 (WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)と呼ぶ変調方式の自動切り替え技術。2X、4X、8Xのすべてのパケット方式において利用できる。従来のウィルコムの基地局では、QPSKという、無線の伝送単位である1シンボルに2ビットを載せる方式のみが利用できたが、同社が利用量の多い大都市を中心に2004年から敷設している新基地局では、QPSKに加え、8PSK(1シンボル当たり3ビットを伝送)、およびBPSK(1シンボル当たり1ビットを転送)に対応している。

2〜3月に発売予定のW-OAM対応通信カード

 端末は、無線環境に応じ、この3つの方式を自動的に使い分けて通信を行う。例えば8Xパケット方式の場合、最大通信速度は、現行のQPSKでは256Kbpsだが、8PSKでは(実質的なオーバーヘッドの減少も伴って)408Kbpsに向上する。BPSKの場合は、逆に104Kbpsに低下する。しかし、BPSKのサポートによって電波到達度を改善し、データ再送を減らしてパフォーマンスの安定化を図ることができるという。

 W-OAMを利用するには、これに対応した通信カードが必要となる。NECフロンティアはW-OAM対応の8X製品と4X製品を2月下旬に発売の予定。セイコーインスツル(SII)はW-OAM対応の4X製品を3月中旬に発売の予定。

 W-OAMは基地局の世代交代を必要とするため、利用量の多い基地局から順次利用可能になる。今年度末にトラフィックシェアで23パーセントをカバーできるようにしたいという。

 もう1つはPRINにおけるW-TCP制御装置の導入。W-TCPにより、データの再送が発生しても、パケットをすべて再送しなくてすむようになり、より安定的な通信が可能になる。

 ウィルコムの今後のデータ通信高速化の見通しについて、同社CTOの近義起氏は、現在の技術の延長線で1.5Mbpsまで達成可能であると話した。これ以上の速度については、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)をベースとした次世代方式で実現していく。近氏は、「マイクロセルはウィルコムの最大のアセット(資産)だ。ウィルコムは都心部では50メートル間隔で基地局を設置している。一般の携帯電話が500メートル程度の間隔だ」とし、これを生かした方式を採用していくと述べた。

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ウィルコムの発表資料

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