年内にはiPodの中身がインテル製になる?

2006/2/25

 インテルは2月24日、報道関係者向けの説明会「クライアント・レギュラー・アップデート」を開催。2006年後半に投入する次世代CPUコアの改良点や、フラッシュメモリ事業の方向性など、クライアント製品に関する最新情報を紹介した。

インテル マーケティング本部長 阿部剛士氏
 このクライアント・レギュラー・アップデートは今回初めて開催された説明会で、同社が発表済みのクライアント向け製品やキャンペーン情報などを紹介する。今後も定期的に開催するという。インテル マーケティング本部長 阿部剛士氏は、「2005年はデュアルコア元年、2006年は飛躍する年、2007年はクアッドの年になる」と位置付けた。

 阿部氏は、同社が2005年から2006年にかけて発表したPentium D(コードネーム:Presler)やCore Duo(コードネーム:Yonah)などが好調だとしたが、「中でもCore Duoを中心としたモバイルプラットフォームの調子がいい。先日、2006年後半リリースのコードネーム:Meromの事業部長であるムーリー・エデンに会ったが元気が良かった。かなり期待できる」(阿部氏)と語り、今後リリース予定のモデルに期待を寄せた。

 2006年後半にリリースされるコードネーム:ConroeやMeromは、新しいアーキテクチャを採用しており、新たに4命令の同時発行や14段のパイプラインに対応したほか、電力効率を改善してさらなる低電力化を図っているという。そのほか、キャッシュシステムやメモリアクセスの改善も行い、機能強化している。阿部氏はこれらのCPUについて、「本物か信じられないくらいよいデータが出ている。かなりよいできだ」と称賛した。実際のベンチマークでは、シングルコアの「Pentium M 730(1.60GHz)」と、マルチコアの「Core Duo T2300(1.66GHz)」でHD動画を再生しつつ、MP3ファイルを作成する場合で約80%高速だったという。「Core Duo T2300(2.16GHz)」の場合は145%高速だった。

画面右の「Pentium M」と、画面左の「Core Duo」で、HD動画を再生しながら、iTunesでAACをエンコードするベンチマークを行っているところ。Core Duoはスムーズに処理できていたが、 Pentium Mは動画再生がカクカクで見るに耐えない状態だった

 フラッシュメモリ事業では、携帯電話などに主に利用されるNOR型フラッシュメモリの90nmプロセス製品をNTTドコモの携帯電話「N902i」に提供しているとした。NOR型フラッシュメモリは、2006年中に65nmプロセス製品の量産を開始し、将来的には45nmプロセスまで微細化できる見通しだという。

 また、インテルは2005年にメモリカードやUSBメモリなどに利用されるNAND型フラッシュメモリ分野に参入。2005年11月に「IMフラッシュ・テクノロジーズ」を設立し、アイダホ州に向上を建設。2006年内にはバージニア州とユタ州にも建設を検討しているという。すでに米アップルへの納入が決まっており、「2006年内にはインテル製NAND型フラッシュメモリがiPodに載るはずだ。ただし、当面はアップルへの供給でラインが埋まってしまうため、新工場が完成する2007年以降にメモリカードやUSBメモリのベンダへ供給する予定となっている」(阿部氏)と説明した。

 キャンペーン戦略では、2月25日から日本独自の新CMをオンエアする。2005年に好評だったら「もし、インテルがはいっていたら〜」の新シリーズで、女優の深津絵里さん、俳優の岡田義徳さんを起用。「犬編」と「みつばち編」が用意されている。

 そのほか、量販店と協力したユーザー体験型イベントを広島で開催したり、40歳〜60歳の男性を対象としたポータルサイト「インテル Mens ポータルサイト」を3月2日に開設するなど、さまざまなキャンペーンを予定している。

(@IT 大津心)

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